【依存症患者とその家族の苦しみ】セゾン・サンカンシオン
著者 前川ほまれ
【内容】
アルコール依存症の母親をもつ看護師・柳岡千明は、退院後の母親が入所する施設「セゾン・サンカンシオン」へ見学に行く。そこは、さまざまな依存症に苦しむ女性たちが共同生活を行いながら、回復に向けて歩んでいくための場所だった。
さんざん迷惑を掛けられてきた母親に嫌悪感を抱く千明だが、施設で同じくアルコール依存症を患っているパピコとの出会いから、母親との関係を見つめなおしていく――。
今、最注目の作家が、人間の孤独と再生にやさしく寄り添う感動作!
【感想】
★★★★☆
セゾン・サンカンシオンで暮らす様々な依存症患者。
それぞれの人が抱える「哀しみ」が辛いほど心に刺さり、中毒になってしまうのは彼女たちも家族も辛いけれど、そうまでして逃げる場所だったんだなあと思うととても悲しくなりました。
私はお酒や薬などに逃げたりすることはないけど、活字に救われているところがあるかなと思います。
辛い時、哀しい時に寄り添ってくれるのはお酒などではなく本。昔からお話に救われてきたと思います。
辛い時、哀しい時に読む本、楽しい気分の時に読む本。十分活字中毒といっていいのかもしれません。