【こんなスピーチ泣くわ】本日は、お日柄もよく
著者 原田マハ
【内容】
OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された!目頭が熱くなるお仕事小説。
【感想】
★★★☆☆
前半まではすごく好きだったんですが後半から失速。
結婚式のスピーチは感激した。言葉の力に魅了された。あんな素敵なスピーチ、私もできたらなと思った。
が、展開がトントン拍子過ぎてちょっとついていけなかったのと、仕事で抜擢されたスピーチ放り出して退職し、厚志のお手伝いというのは責任感という面でどうかなと思ってしまった。
【脳も気持ちもスッキリした】佐藤可士和の超整理術
著者 佐藤可士和
【内容】
整理術を磨いていくと、仕事を取り巻く環境がみるみる快適になっていくのが実感できるはずです。それに伴い、仕事の精度も劇的にアップしていることでしょう。この本で僕が述べる整理術とは、整理のための整理ではなく、快適に生きるための本質的な方法論。ですから、デスク周りなどの空間から仕事上の問題、人間関係に至るまで、あらゆる場面に応用できるのです。
【感想】
★★★★★
よくある断捨離やミニマリストの本よりも断然よかったです。
文章もきちんと整理されいていてわかりやすく、読みやすく頭に入ってくる。
よく知っている広告やパッケージなども「これは佐藤可士和さんが手がけたんだ!」などと思いました。ケータイとかこれ持ってました。知りませんでした。
彼のようにカバンも持たずにまではスッキリできませんが、私も家の断捨離中なので、スッキリしていきたいなと思いました。素晴らしい本!
【思春期の生々しさがとても濃厚な一冊】しろいろの街の、その骨の体温の
著者 村田沙耶香
【内容】
2013年に三島賞を受賞。
14年に第一回フラウ文芸大賞受賞作の文庫化。
クラスでは目立たない存在である小4の結佳。
女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、
習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、
次第に伊吹を「おもちゃ」にしたいという気持ちが強まり、
ある日、結佳は伊吹にキスをする。
恋愛とも支配ともつかない関係を続けながら
彼らは中学生へと進級するが――
野間文芸新人賞受賞、
少女の「性」や「欲望」を描くことで評価の高い作家が描く、
女の子が少女に変化する時間を切り取り丹念に描いた、
静かな衝撃作。
【感想】
★★★★★
思春期の性の生々しさ、醜さ、純粋さが静かに、とても濃厚に描かれている作品。
結佳の性衝動はそのころの私は考えもしなかったりしたけれど、教室での居心地の悪さ、スクールカーストは女子あるあるがとてもリアルで、読んでいるこちらも居心地が悪かった。
私たちは、エピソードをくれた男の子に簡単に恋に落ちてしまう。
この表現がとても秀逸だし、とても好きだなと思った。
伊吹がとてもいい。純粋で、単純で、まっすぐ。結佳がなかなか卑屈な感じだったのでこの伊吹の美しさがとても好きになったし、結佳のこのどうにもならない気持ちがとても際立った。
あと、信子もよかった。信子のナルシストさ、外見の醜さのくだりは「女子あるある」かつ表現が割と直接的でちょっとした嫌悪感も抱いたが、最後に信子が自分のことをからかう井上に反撃するシーン、それを見て結佳が「信子を美しいと思った」のくだり、そしてそのことを伝えたときの信子の反応、結佳の変化。もうほんとに素晴らしい。
あとがきにあるように、著者の村田沙耶香さんご本人からは想像もつかないような濃厚さが彼女の本にはあって、癖になってしまう。
とにかくこの本は私はすごく好きだったし、素晴らしいと思った。
【こんなレストランちょっと行ってみたい】魔法を召し上がれ
著者 瀬名英明
【内容】
マジシャンはノーと言ってはいけない。
相手が恋人を殺した男でも。
圧巻の超大作!
湾岸町のレストランで働くマジシャン・ヒカル。テーブルを巡り、料理を楽しむ客にマジックを披露している。高校時代、突然この世から消えた同級生の少女・美波を彼は忘れられない。
ある日現れた、彼女の死にかかわりをもつ男。美波はなぜ死んだのか。時を同じくしてヒカルは、伝説的な老マジシャンからロボットを託される。
一人と一体、そして彼らを取り巻く人々の再生の物語。
【感想】
★★★☆☆
途中から急に未来感が出てきて、その展開に最初は戸惑いました。
東日本大震災の「被災地」とはるのでまだ現実からはそんなに進んではいないのか、 しかしロボットが当たり前であったり、スカイウォーカーという乗り物が出てきたり、 一体いつ頃の設定なんだろうと、パラレルワールド的な感じなのかなとついていくことが難しかったです。
ここに出てくるレストランは二つありますが、どちらもマジックを提供していて面白そうだなと思いました。特に「ル マニフィック」というレストランは「美女と野獣」の世界で世界観も特殊でロボットが給仕をしたり、是非行ってみたいなあと思いました。 立花さんの考えたデザート、是非食べてみたいです。
500ページを超える超大作ですごく長いのですが、お話の方はちょっと盛り上がりに欠けるかなと思いました。
【バナナはおやつにはいりますか?】みらいのえんそく
著者 ジョン・ヘア
【内容】
今日は宇宙遠足の日です。
子どもたちは、宇宙ステーションから月への小旅行を楽しみにしていました。 無事、月面に着陸した子どもたちは、月の割れ目を飛び越え、 はるかかなたの地球が眺められるクレーターに到着しました。
ところが一人の生徒が、地球の絵を描いているうちにうっかり眠ってしまいます。 目がさめると、なんとクラスメートと宇宙船がいなくなっていました。
ひとり月面に取り残された生徒は、しかたなくそのまま絵を描き続けます。 すると、周りから、不思議な生物が次々と現れてきて……。
近未来の遠足は、きっと月まで行くのでしょう。 生徒が月面に取り残された場面では、ヒヤッとしますが、 月に住む生物と、友情を育むことができ、話はユーモアたっぷりの楽しい展開になります。
【感想】
★★★★★
面白かったです!
月に遠足に来てふとうたたねしてる間に置いて行かれてしまった男の子。
「ま、いっか」「えでもかこう」
いやいやいや!!!!
大人目線だとめっちゃ怖い話ですが、その後の展開がほのぼのとしてよかったです。
最後迎えに来た人が「ごめん、ごめん」いやいやいや!!!
大人目線だと笑えませんが、なんかちょっとほんわかした気持ちになれました。
子どもっていいなあ。
【文は短いが想像力を掻き立てる】あっちがわ
著者 イシズマサシ
【内容】
この世のものとは思えない 15のこわい話
決して一人では読ませないでください
この世のものとは思えない、怖くて奇妙な出来事。ここは本当にぼくの町なの? それとも……。
一話一見開きで展開するたたみかける恐怖。きみはつぎのページをめくれるか。
じわじわおしよせる15の恐怖
かげ/よげん/たぬきんくん/かとりせんこう/みどりのしょうぼうしゃ/フランスにんぎょう/となりのゆうれい/おえかき/あそんで/あな/あたまのはこ/ソフトボール/きょうけん/みんとくん/リフト
【感想】
★★★★★
これは見開き一ページで一つのお話になっているちょっと変わったタイプの絵本です。
見開き一ページで終わるので、当然文も短い。ほんと5行とか。
なのに、こっちの想像力を掻き立ててしっかり怖い。
私は「みどりのしょうぼうしゃ」や「あたまのはこ」が怖かったです。
とても面白い絵本でした。
【何よりも絵が怖い】まどのそと
著者 佐野史郎
【内容】
怪談えほん〈第3期〉、ついに刊行スタート!
怖いけど見たい、見たいけど怖い
佐野史郎とハダタカヒトが描くたえがたい恐怖。
かたかたかた…かたかたかた…ずっとなりやまない音。ねむりたいけどねむれない。
何度もよんだけど、ママもパパも来やしない。現実なのか夢なのか、なりやまない音。
佐野史郎とハダタカヒトが描くたえがたい恐怖。
【感想】
★★★★★
著者を見てびっくり、え、あの佐野史郎さん?
佐野史郎さん、絵本も書かれるんですね。
今そのことに気付いたくらいなのでなんの先入観もなしに読みましたが語感もとてもよく、これは俳優さんだからなのかもしれませんが、なのに怖い。
そして絵がものすごく怖い。
子どもって怖いお話大好きですが、これ大人も怖いです。
最後怖すぎて子供は一人で眠れなくなるかも!