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【まんまとやられた】護られなかった者たちへ

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著者 中山七里

【内容】

「あなたにこの物語の犯人はわからない」―― 中山七里

 

仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。三雲は公私ともに人格者として知られ怨恨が理由とは考えにくい。一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。三雲の死体発見から遡ること数日、一人の模範囚が出所していた。男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か? なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか?

 

誰が被害者で、誰が加害者なのか──。
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……
この国の制度に翻弄される当事者たちの感情がぶつかり合い、読者の胸を打つ!

 

“どんでん返しの帝王”中山七里が、日本の社会福祉制度の限界に挑んだ問題作!

 

【感想】

★★★★★

犯人は途中から分かっていたのですが、最後、名前を見て「え!!」と思い、まんまと二度読みしました!

 

「あなたにこの物語の犯人はわからない」―― 中山七里

 

なるほど、本当の意味では犯人はわかっていなかった!


社会の闇が浮き彫りになった作品でした。よくニュースでも話題になる生活保護
税金を徴収するのは強制的でも、そのお金を国民に払うのは申請しても却下されたりしてなかなか通らない。勿論ニュースなどで話題になる通り、こちらが首を傾げてしまう受給者がいるのも事実。

現在住んでいる国では割と生活保護は申請も受け取りも簡単で、日本より気安さがあるし、当然の権利という風潮もある国もある。どちらが良いのか判断は難しいですが、現在年金も納める人が減っているので将来的に年金の受け取りができなくて生活保護を申し込む人も増えるかもしれない。申請許可の問題もあるだろうけど、その前に色々と対策すべき問題もあると思う。

 

とてもやりきれなさを感じる作品でしたが、利根の正義感には心救われました。最後のけいさんのメッセージには涙が浮かびました。

 

中山七里さんの作品では、『 連続殺人鬼 カエル男』を読みました。

この作品も最後は騙されたし、最後の一行が利いていて、面白い作品でした。

 

護られなかった者たちへ

護られなかった者たちへ

 

 

連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)

連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)