【村田沙耶香ワールドにハマる】変半身(かわりみ)
著者 村田沙耶香
【内容】
村田沙耶香による待望の書き下ろし中編!
太平洋に浮かぶ人口2000人ほどの離島・千久世島。
造物主「ポーポー様」なる独自の神話を持つ島では「海のもん」と「山のもん」が時折いがみあいながらも共存してきた歴史があった。
島では年に一度、秘祭「モドリ」が行われる。
14歳になり、初めて「モドリ」に参加させられることになる私と親友の花蓮は、その年の生贄が同級生の高城くんになることを知る。
因習に満ち閉塞した島を脱出しようとするが――。
歴史は書き換えられ、世界は塗り替えられ、魂は入れ替えられていく。
村田沙耶香初の試みとなる、演劇界の鬼才・松井周と練り上げた千久世島ワールドを舞台に、人間が変わり世界が変わりゆく悪夢的現実を圧倒的イマジネーションで紡ぐ。
【感想】
★★★★★
なかなか衝撃的な作品でした。
もう最初からすごい引き込まれる。
なにやら昔からの因習の残る島で暮らす主人公。
14歳になると「モドリ」という秘祭に参加させられる。好きな高城くんが「モドリ」で、「モドリ」はみんなにリンチされて、その後祭りの参加者はまぐわうというなんとも奇妙な祭り。しかしそこから逃げた主人公と高城くん(この時はもう瀕死状態だったから祭りの正体は聞いていない)と友達の花蓮は、秘祭に関する衝撃的な事実を聞いてしまう。
もうこの時点で「えーなんだそれ!」って状態なんですが、その後、また主人公は東京で結婚し、謎の夫婦生活を送っている。もうなんだかこの生活もおかしい。
それでひょんなことから島に戻ることになるが、島はとんでもない状態になっていた。もうカオス。読んでて頭はおかしくなるし失笑するし大忙し。
村田沙耶香ワールド炸裂です。
もう一つの「満潮」も面白かった。
「夢精」をする主人公と「潮を吹きたがる」夫の物語。しかもこの二人セックスレス。もうなんだかほんとうにすごかった。
村田沙耶香ワールド、ハマってしまいそう。