【好きな人が姉の元旦那の弟】9月9日9時9分
著者 一木けい
【内容】
愛される快感と、「人」を想う難しさ──。
バンコクからの帰国子女である高校1年生の漣は、近づいてはいけない人と恋に墜ちてしまう──。三浦しをんさんも大絶賛! 気鋭の作家が挑む傑作長編、満を持して刊行! バンコク在住の著者が描く国境を越えた名作!
【感想】
★★★★★
すごく切ないお話でした。
漣がバンコクからの帰国子女で痴漢から助けてくれて恋に落ちたのはバンコクについて行かなかった年の離れた姉の元旦那の弟。
ただただ切ない恋愛というだけでなく、色々と気付きも与えられる本でした。
漣も、お姉さんも、朋温も、そしてお父さんやお母さんの気持ちもみんな理解できる。
DVのシーンがとても衝撃的で、お父さんが「リモコンを見てもなんとも思わないだろう?」といったのがすごく心に残った。一度でも傷つけられたものはもうそのことを思い出してしまう。米陀さんが「簡単にかわいそうとかいうな」というのもすごくずしんと来た。
タイの描写がとてもリアルだと思ったらタイに住んでいらっしゃる作家さんなんですね。
最後の数ページの余白、電子で読んだのにあぶり出しでなんか書いてないかなとか思ってしまうほど9月9日の続きを見てみたかった。