【高校生の格差を考える】野原できみとピクニック
著者 濱野京子
【内容】
裕福な家に生まれ進学校に通う優弥と、底辺校に通いながら家計のためアルバイトにいそしむ稀星。現代社会を映しだす2人の恋の行方は?
優弥はある日、繁華街で男子高生に絡まれていたところを、通りかかった稀星に助けられる。
裕福な家に生まれ、進学校に通う優弥と、底辺校に通いながら、家計を助けるためアルバイトにいそしむ稀星はお互いの違いにとまどいながらも、しだいに惹かれあっていく。
育ってきた環境が、まったくちがう2人が恋に落ちたら、見える世界はどう変わるのだろう。
【感想】
★★★★★
日本はどうしても、中学を過ぎたら100%ランキング社会に入る。
私が住んでいる欧州は、そういったランク付けはあまりない。大学も、入るのは簡単だしほぼ無料だけれど、そこから卒業まで行けるかは本人次第。どちらがいいかとかは私にはわからない。
でも、高校生で、今までヤングケアラーとかの本も読んだけれど、格差を感じるのはなかなか辛い。特に下の方なら。
このお話は、裕福な、バイオリンとか弾けちゃういいとこのおぼっちゃんと、市営住宅に住んであまりお金がない底辺高校の女子高生の恋の物語。
子ども食堂もやっている「はもれびカフェ」で交流する二つの高校生の姿がまぶしい。それぞれの立場からの考え方で相手のことが初めは理解できないことがあるけれど、お互いに歩み寄っていく姿がよかった。