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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【外国人目線のトーキョーガイド】I LOVE TOKYO

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著者 ラ・ピーナ

【内容】

イタリアで大ベストセラーを記録した書籍の翻訳版。ノンフィクション部門で9週連続1位を記録するなど国民的にヒットを記録! 著者はイタリアの国民的スター、LA PINA。彼女の愛情に満ちた視点での東京評は、日本人でもきっと楽しめる!

【感想】

★★★★☆

私自身が海外在住なので彼女をテレビで見たことはないんですが、彼女の個性たっぷりのガイドブックは海外から日本に来る外国人の人に是非お勧めしたいガイドブックだなと思いました。大きな空港や駅、ホテルなどで英語版で置いてあったらいいんじゃないかなと思いました。

 

イラストもかわいらしく、写真もたくさん。文章も彼女の年にしては「ん?ギャルかな?」という感じでかわいらしい文章でした。翻訳した方の主観なのかもしれませんが。

 

QRコードで読み取って動画やサウンドトラックを聴きながら楽しめるというのが面白いです。

 

私は電子書籍で読んだのですが、ところどころ読めないページがありました。

蛍光黄緑の文字は目がちかちかして無理だったし、ベージュの背景に白文字で書いてあるページは一切文字として認識できないレベルでした。

なので、買うなら電子書籍ではなく紙の本がおすすめです。

 

 

I LOVE TOKYO

I LOVE TOKYO

 

 

【何もない日常を宝物のように感じる】雲と鉛筆

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著者 吉田篤弘

【内容】

ぼくは、屋根裏の部屋に住み、鉛筆工場で働いている。大きなものが書かれた小さな本を読み、雲を眺め人生について考える。そんなある日旅立ちの時が来た。

 

2005年1月に創刊しました「ちくまプリマー新書」は本書『雲と鉛筆』で300点を突破いたしました。
ちくまプリマー新書」は「プリマー=入門書」という名にふさわしく、一般の教養新書と比べ、よりベーシックで普遍的なテーマについて、若い読者の人たちにもわかりやすい表現を用い、学校でも家庭でも学べない大事なことを「近所のおじさん、おばさん」のような立場から、わかりやすくまっすぐに伝えています。
6月中旬より全国の書店さんで300点突破を記念して「ちくまプリマー新書フェア」も開催いたします。今後とも「ちくまプリマー新書」をどうぞよろしくお願いいたします。

 

【感想】

★★★★★

特にこれといった大きな出来事などはないのですが、なんでもない日々が温かく感じる、そんな物語でした。

 

たとえばお姉さんにジューサーミキサーをプレゼントする。するとそのジューサーミキサーは壊れていた。

でもすぐに修理に出さず、お姉さんは

「壊れたものには、動いているものとは違う美しさがある。動けばそれは道具だけれど、動かないジューサーミキサーはその役割から解放されて、そのうちジューサーミキサーという名前からも自由になりました。」

 という。

なんか、面白い考え方だなと思ったし、とてもいいなと思いました。

 

読んでいるうちに宝物のような本だと思えてきました。

 

文章も易しく、子供から大人まで読むことができます。

 

そして、あとがきを読んで「ちくまプリマー新書」にも興味が出ました。いろいろな本をチェックしてみたいと思います。

 

 

雲と鉛筆 (ちくまプリマー新書)

雲と鉛筆 (ちくまプリマー新書)

 

 

【一行でゾクッ】一行怪談(二)

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著者 吉田悠軌

【内容】

Twitterで話題沸騰!

たった一行に込められた、美しい悪夢のような物語集。

 

解説の大槻ケンヂ氏も「一行怪談、と定義づけられているが、これは時に短歌であり、散文詩であり、あるいは文学でありオカルトであり絶妙のショートショートでもある。発想、技術が、すごい、すご過ぎる」と大絶賛!

 

想像力を刺激され、恐怖や不安、幻想、ユーモアなどを感じられる作品を多数収録。

奇妙で恐ろしい世界に迷い込んだような新感覚の怪談集。

 

 【一行怪談凡例】

・題名は入らない。

・文章に句点は一つ。 

・詩ではなく物語である。

・物語の中でも怪談に近い。

・以上を踏まえた一続きの文章。

 

◎内容例

 

食べられないものありますか? と出されたメニューに人の名前しか書かれていない。

赤いおじさんか青いおじさんが来るだろうけど絶対ドアを開けないでね、と言いつけられて留守番している。

 

首を絞められた人間が最期にもらす一息だけを集めて膨らませた風船が、どこまでも空を上っていく。

 

【感想】

★★★★★

たった一行なのに、余韻を感じて、さらに想像力も鍛えられ、ぞくっとさせられました。

 

上の内容例を見てもらえばわかる通り、1ページに一行、怪談が載っています。

思わず情景を浮かび上がらせ、たった一行なのに読み手をぞくっとさせてきます。

 

とても面白かった。

 

 

一行怪談 (PHP文芸文庫)

一行怪談 (PHP文芸文庫)

 
一行怪談(二) (PHP文芸文庫)

一行怪談(二) (PHP文芸文庫)

 

 

【青春の熱さと郷愁】愛と勇気を、分けてくれないか

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著者 清水浩司

【内容】

痛くて、熱い、“あの時代” の青春小説
あの日、燃え上がった青春の火は、これからもきっとずっと消えない。――秦 基博さん
こんな過去はなかったはずなのに懐かしい。「青春」ってきっとこうだったのだ。――西 加奈子さん
痛みも無力も知ってしまった今、進むしかない。愛と勇気を分けるためさ、進め、進め。――永作博美さん
いつまでたっても、自分に何かを問いかけてくる。それが、故郷・広島。――湯崎英彦広島県知事


そうか、あれが青春の正体だったんだ。痛くて熱い、「あの時代」青春小説の誕生! 80年代後半、広島市民球場が、デビューしたばかりのユニコーンが、確かに息づいていたあの日。ひとりの転校生が、美少女に心を射抜かれた瞬間、それは始まった。賑やかで、残酷で、なす術もなく熱病に浮かされたようになりながら、それでも全力で立ち向かうしかなかったあの日々が――。

 

【感想】

★★★★☆

 父親の転勤に伴い、引っ越してばかりの主人公、桃郎。

仙台から広島に転校してきた彼は、そこで短いながらも忘れられない青春のページを刻む。

惚れっぽい桃郎は同じ愛郷委員の小麦を好きになるが、小麦にはすでに好きな人がいた。それは愛郷委員のOBユキトという二十歳の男で、以前伝説を作った男だった。

 

「でっかいことをしたい」とユキト、小麦、桃郎は愛郷委員を巻き込んでフェスの開催を試みるが、ユキトの父親に「どういうメッセージがあるのだ」と聞かれて何も言えなくなってしまう。

 

私も小さい頃は転校を繰り返して、桃郎の気持ちがよくわかった。

そして、「何か大きなことをしたい」という気持ちもわかった。そんなことなかなかできないけれど。

 

地元愛っていいなと思いました。

 

青春の熱い気持ち、そして郷愁の寂しさを感じる物語だった。

 

 

 

 

愛と勇気を、分けてくれないか

愛と勇気を、分けてくれないか

 

 

【前向きな切なさ】僕の未来だった君へ

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著者 鳥海領

【内容】

桜舞い散る晩春、高専生の直樹は雪女を名乗る少女に出会う。心にトゲを抱え孤独に生きる直樹は、いつしか彼女にだけは心を開くようになる。しかし冷たい冬が来る前に彼女は・・・。こじらせ系男子の初恋ファンタジー

【感想】

★★★☆☆

まあ、雪女との恋は前向きな切なさを感じる話でした。

 

ある日雪女と出会う直樹。直樹はわりと孤独で、過去のある理由から実家にも帰らずにいた。

その過去の事情のせいでちょっと後ろ向きな直樹も、雪女の雪との交流でだんだん心を開くようになっていき、変わっていく。

しかし、雪は雪女。住む世界が違う。

ということで、なかなか切ないお話でした。

 

タイトルの意味も、分かった時に、きれいだなと思いました。

 

でも、ちょっとあっさりしてたかなという感じです。

もうちょっと、昔亡くなった佳苗が、どういう経緯で車にひかれたのかとか、お父さんはほんとは佳苗とどういう距離だったのかとか、ちょっと想像力を働かせてもちょっと推し量りかねるというか。できれば佳苗は「約束の場所へ行く途中車にはねられた」とかちょっとそういうことが書いてあったらもっと心を打ったのかなあと。

あと、寒太郎って物語に必要だったのか・・・・。

そして、美芳とこれからどうなっていくのか。なんかもうちょっと含ませてほしかったかな。

 

などなど、まあデビュー作らしいのでまたこれからに期待。

 

 

僕の未来だった君へ

僕の未来だった君へ

 

 

 

【タイトルの意味が分かった時に涙する!】赤い指

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著者 東野圭吾

【内容】

 少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。 

 

【感想】

★★★★★

序盤からぐいぐい引き込ませる作品でした。

さすが東野圭吾っていう感じです。面白かった!

 

犯人が最初に示されているタイプのミステリーです。

家族で、息子を守るために隠蔽工作をするのですが、この少年がめっちゃ腹立ちます。でも、こういう人、かなりいるし、殺人事件を起こしてる犯人でも、こんなんめっちゃいるわー!って思います。

そして息子を守ろうとする母。こちらにも苛立ちを覚えますが、こんなんするのも息子を守りたい一心。気持ちはわかります。

そして父親。私はこの父親にすごく共感しました。私だったらこのタイプなのかもしれない。

最後に同居するおばあさん。

 

最後、タイトルの意味が分かるのですが、もうその時に「おばあちゃーーーーん!」ってなること間違いなし!

 

赤い指 (講談社文庫)

赤い指 (講談社文庫)

 

 

 

【フランス語版購入】大人のためのワイン絵本 その2

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著者 Fanny Darrieussecq & Mélody Denturck

 

NetGalleyで読んだ『大人のためのワイン絵本』がとてもよかったので、こちらで購入しました!これはフランス語版です。

内容は日本語版とほぼ同じですが、日本語版は最後に「日本のワイン」についても紹介されています。日本のワインについても知りたければ、日本語版がおすすめです。

 

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これはワインの製造方法。絵で分かりやすく書かれています。

赤、白、ロゼ、シャンパンそれぞれあります。それぞれの違いに注目してみるのもおすすめ!

 

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こちらはエチケットの見かた。ボトルに貼ってある「エチケット」と呼ばれる、シール。この読み方を知っているとワインを選ぶときにかなり参考になると思います。

 

ほかにも内容盛りだくさん!

お友達にも勧めました!日本語版が欲しい人もたくさんいたし、こっちに売ってるフランス語版で、家族で読むという人もいました。みんな興味津々!

 

厚さは1,2cmくらいでしょうか。フランス語版の表紙は固くしっかりとしていて、割と分厚くて、紙もしっかりしています。色もとてもいい感じ!やっぱり紙の本で買って正解!