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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【作者を知って読書がもっと楽しくなる】ご本、出しときますね?

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【内容】

小説家って面白い! 無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と、20人の作家たちが“自分のルール”を語りつくす。 大人気番組、ついに書籍化! 西加奈子朝井リョウ長嶋有加藤千恵村田沙耶香平野啓一郎山崎ナオコーラ佐藤友哉島本理生藤沢周羽田圭介海猫沢めろん白岩玄中村航中村文則窪美澄柴崎友香角田光代尾崎世界観光浦靖子

 

【感想】

★★★★★

大人気トークバラエティ番組の書籍化だそうです。この番組見たかった!!!

朝井リョウさんはエッセイやコラムを読んだりして、とっても面白い人だなあと思っていました。
けど、西加奈子さん!そこの関西のノリはやばい。西加奈子さんの作品はきいろいぞうと、さくらしか読んでませんが、雑誌とかのインタビューなどから面白い人だなあとは思ってましたが、面白い!!!!!!

そして、コンビニ人間村田沙耶香さん。変わった人であるらしいけど、本当に変わっていた。よく抱きつかれたり、コンビニで足首掴まれたり、それを受け入れてしまう彼女、そしてなかなかゾッとすることを言う彼女。殺人出産とコンビニ人間を読んで、現在しろいろの街の...を積読にしてますが、彼女を思い浮かべながら読めそうです。
他にも読んだことのある小説の作家さん達の実態を知れてとても面白かった!それぞれの作家さんの顔を検索しながら読みました。

これから小説を読む時に思い出して楽しく読めそうです。

 

 

 

 

【最後まで続く嫌な緊張感にページをめくる手が止められない。】火の粉 

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著者 雫井脩介

【内容】

累計55万部突破のミステリー。「私は殺人鬼を解き放ってしまったのか?」元裁判官・梶間勲の隣家に、二年前に無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い……。武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を摑む。しかし梶間家の周辺で次々と不可解な事件が起こり……。最後まで読者の予想を裏切り続ける驚愕の犯罪小説!

 

【感想】

★★★★★

ドラマやってましたよね。
最近ドラマを最後まで見ることが難しく、途中で挫折することがほとんど。
このドラマも途中まで見て、面白かったんだけど、続かず、ずっと気になっていました。
ということで小説を買って読むことに。

頭の中でユースケさんや優香さんなどのドラマのキャラが目まぐるしく動き、連続ドラマが私の中で2時間ドラマに変わりました。

面白かった!!!!!
やっぱドラマも最後まで見たかった!

心理描写や、状況設定がとても上手い!
武内の異常性に少しずつ気付きながらも、でももしかしたらこの人じゃないのかもと思わせてくる。
背中をバットで痛め付ける方法にはなるほど!と思いました。

充実した読書タイムでした。

 

 

火の粉 (幻冬舎文庫)

火の粉 (幻冬舎文庫)

 

 

 

火の粉 DVD-BOX

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【推理をしない探偵現る】貴族探偵

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著者 麻耶雄嵩

【内容】

信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か? 捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生! 傑作5編を収録。

 

【感想】

★★★☆☆

安楽椅子探偵ならぬ、安楽椅子に座りながら召使い達に推理させる貴族。
 
ドラマがイマイチだったので、少し見てやめてしまったのですが、ニュースでも話題になっていたこうもりが読んでみたくて読みました。

なるほど、たしかに叙述トリックで私もすっかり騙されました。最後の春の声は、えっそんなんあるんって思いながら読みました。設定がなかなか変わっていて面白かったです。これを踏まえてもう一回ドラマ観てみようかな。
 

 

 

貴族探偵 (集英社文庫)

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貴族探偵 Blu-ray BOX

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【予想がつかない結末にびっくり】異類婚姻譚

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著者 本谷有希子

【内容】

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。第154回芥川賞受賞作!

 

【感想】

★★★★☆

こちらもアメトークで紹介されていた本。

上記のような内容紹介から、こんな結末になるとは思ってなかった!といい意味で裏切られる作品でした。

夫婦が似てくるという話から段々と不思議な展開になっていく。
石を挟んで石が段々と人の顔になっていくとか。
なんだか終始静かな感じでしたが、奇妙な感じを受けました。
なかなか自分では手に取らない本だと思うので、人の紹介本って面白いなあと思いました。

 

もやっとした気持ち悪さとか、奇妙さとか、そういうのが好きな人におすすめです。

 

 

異類婚姻譚

異類婚姻譚

 

 

【アメトークで紹介された本】あひる

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著者 今村夏子

【内容】

文学ムック「たべるのがおそい」創刊号に掲載された注目の表題作ほか、書き下ろし2編を収録

【新たな今村夏子ワールドへ】
読み始めると心がざわつく。
何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。
淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。

あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在りようを、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。

 

【感想】

★★★★☆

なんだか不思議な、心がざわつくような作品でした。

 

なんだか本の感じとか、レイアウトとか、文字フォントとか、文章の書き方とか、学校の教科書とか、学級文庫を思わせるような感じ。
飼っているアヒルが弱って行き、お父さんが獣医に連れて行くと違うアヒルが帰ってくる。
お母さんはなんか宗教的で、よくお祈りをしている。

「え?なんなの?アヒルどんどん入れ替わって最終的にどうなるん!」となります。淡々と語られていて、特に大きな出来事もないのですが、心がざわざわする。

 

すこし「星の子」を彷彿とさせるような世界観。くせになるかもしれない。

 

あひる

あひる

 

 

 

 

【空港大好き】あぽやん・恋する空港

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著者 新野剛志

【内容】

遠藤慶太は29歳。本社から成田空港所に「飛ばされて」きた旅行会社社員。返り咲きを誓う遠藤だったが──YY(ワイワイうるさいクレーマー客)の襲来、予約の記録データが消えた、再入国許可証印のないビザで出国、パスポートを忘れた子を空港に残して家族は海外旅行へ…など、押し寄せるトラブル解決に奮闘するうちに、空港勤務のエキスパート「あぽやん」へと成長してゆく。個性豊かな同僚たちと仕事への情熱を爽やかに描いた空港物語。どうぞよいご旅行を!

 

【感想】

★★★☆☆

自分自身が空港で働いていたので、空港あるあるだと思って読みました。

旅行会社社員のお話なので、私が経験したことのほうが実際もっとドラマティックではあったかなと思いました。なので★3つ。

空港で働くってことは大変だけど本当に楽しかった。

パスポート忘れとかもやっぱりあったし、乗り継ぎで福岡から着ていてホノルル行きの女の子、出発前に福岡の空港でパスポートのコピーを取り、そのままコピー機に忘れてきてしまったコとかいましたね。それはどうにかこうにか、空港職員が取りに行って、特別処置としてクルーに次の便で持ってきてもらったり。こんなん絶対日本でしかやってくれないし、日本でもほんと特別。まず海外だったらパスポート速攻盗まれてるよね。

 

リエントリーなしのビザで出国しようとした人、まさにうちの夫。これどうやらわかりにくいシステムだったらしく、しょっちゅういました。そしてほんと、移民局のおじさんの気分で発行したりしてくれなかったりするんですよ。だからひたすら移民局のおじさんとはいい関係を保ってました。だったら「しょうがないな」ってやってくれることもあるし。

 

子供一人で待たされる、こういうケアもしました。お子様一人旅で小学校低学年くらいの男の子、日本でお迎えの日にち間違ってて電話したところ「明日だと思ってた!今から行きます」と5時間ほどかかる距離のところから来るとのことで、ほかの仕事ができず同僚に私の仕事を振って、その子供と一緒に空港探検したりして待ったこと、あります。

 

今はシステムもどんどん変わっていて、チケットもEチケットだしチェックインもネットでできちゃう。懐かしさを感じながら読むことができました。

シリーズで3冊出てました。面白いですよ。でも事実は小説よりすごい!

あぽやん (文春文庫)

あぽやん (文春文庫)

 
恋する空港―あぽやん〈2〉 (文春文庫)

恋する空港―あぽやん〈2〉 (文春文庫)

 

 

 

迷える空港 あぽやん3 (文春文庫)

迷える空港 あぽやん3 (文春文庫)

 

 

 

 

 

【蛇神様の蛇的一部】神去なあなあ日常・夜話

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著者 三浦しをん

【内容】

平野勇気、18歳。高校を出たらフリーターで食っていこうと思っていた。でもなぜか三重県林業の現場に放り込まれてしまいーー。携帯も通じない山奥!ダニやヒルの襲来!勇気は無事、一人前になれるのか……? 四季のうつくしい神去村で、勇気と個性的な村人たちが繰り広げる騒動記!林業エンタテインメント小説の傑作。

 

【感想】

★★★★☆

夏休みに図書館で借りた本。林業とかなかなかスポットライトを浴びることもなく、知り合いにそういう仕事をしている人もいないので謎の職業だったし、正直興味もなかったんですが、面白かったです。

なんといっても登場人物が非常に魅力的だったんです。さすがしをんさんという感じですね。

自然との共生についても考えさせられるような暖かな物語でした。

夜話のほうではもうおばあちゃんが最高。

最初のほうに出てくる「蛇神様の話」で持っていかれました。下ネタやばい。

 

WOOD JOB!という映画にもなっているそうなので、観てみたいなと思いました。

 

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

 
神去なあなあ夜話 (徳間文庫)

神去なあなあ夜話 (徳間文庫)