【子供にも、お疲れ気味の大人にも】いいね!
著者 筒井ともみ
【内容】
子どものための明るく楽しい生き方指南書です。
著者は、筒井ともみ(映画「食べる女」脚本家、)挿絵をヨシタケシンスケが担当しています。
やわらかアタマは、自分の世界観を変えるのです。 いやなことも、だめなことも、ちょっと見かたを変えたなら……?
子どもたちの価値観をひっくり返す20のお話! ヒーロー/ひざ小僧/鼻の穴/眠れない/でかいウンコ/転ぶ/あいさつする/くさい/裸足/ボーズ刈り/おにぎり/歯ぬけ/タオル/エクボ/チンコ/ドーナッツ作り/男同士/さびしい/ネコ新聞/会えない 。
【感想】
★★★★☆
めちゃめちゃかわいくてほっこりする癒され本でした。
子供たちがちょっといやだなって思えるようなことをプラスの思考にかえていく本なんですが、大人もしっかり癒されます。
疲れたな、しんどいなって思っているオトナにもおすすめです。
途中からねこちゃんが出てきて、いろんな子供が見かけるのですが、一度見たらなかなか見かけない。みんなで「ネコ新聞」も作ったり。その内容もめっちゃ可愛いです。
【正しかった選択の上にいる自分】武道館
著者 朝井リョウ
【内容】
【正しい選択】なんて、この世にない。
「武道館ライブ」という合言葉のもとに活動する少女たちが、最終的に”自分の頭で”選んだ道とは――。
様々な題材を通して現代を描き続けてきた著者が今回選んだのは「アイドル」。
視聴者のあいだで物議を醸したドラマ化を経て、待望の文庫化。
解説には、音楽家として多くのアイドルをプロデュースしてきたつんく♂を迎える。
結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。
独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、
さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。
しかし、注目が集まるにしたがって、様々な種類の視線が彼女たちに向けられるようになる。
そして、ある出来事がグループの存続さえも危うくしてしまい……。
「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」
「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」
恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル、無料文化、卒業……
この数年であっという間に市民権を得た言葉たちの中には、
アイドルという存在から発生したものも多い。
新しい言葉が生まれた場所から見えてくるのは、今を生きる人々の様々な一面。
現代社会での生き方を模索するすべての人へ送る、真摯な物語。
【感想】
★★★★★
アイドルがテーマの物語。主人公は愛子という、「NEXT YOU」というアイドルグループに所属している高校生。
アイドル云々に関わらず「今」グサリとささるものがあった。
無料コンテンツが溢れる時代、CDを買わなくなった。「お金の使い道」
たくさんの選択肢があるけれど、自分がしてきた選択は正しかったんだろうか。
なかでもこの二つがグサリと刺さりました。
海外在住ですが、インターネットが発達したおかげで、youtubeや動画共有サイトにより、日本にいるときと変わらないコンテンツが無料で見られます。
私もCDとか音楽をあまり買わなくなった。spotifyとかyoutubeで十分と思ってしまう。
ドラマだって、映画だって、世界各国の物を無料で見ることができる時代。
私は読書が好きなので、本はたくさん買いますが、やはり古本屋で買うことが多いです。好きな作家さんなどは新刊で買いますが、古本屋で買って、読み終わって、もういいなと思ったら次の年に古本屋に売る。
この「武道館」は新刊で買った本です。朝井リョウさんはいくつか古本屋で買って読んで、去年かな、ネットの試し読みで読んだエッセイを読んですごく好きになった作家さんで、エッセイとまた本の感じは違うのですが、小説もすごく好きで、新刊で買っている数少ない作家さんです。
でも振り返ってみると、中学生からずっと、日本にいたときはきちんと本もCDも買っていました。あまりインターネットを利用することもなく、無料コンテンツもあまり利用しなかった。海外に住んでからだと思う。コンテンツとしての「物」を買わなくなったのは。
それはもちろん、収入源としての「円」が入ってこないっていうこともある。海外に住んでいるからっていうこともある。
中学生や高校生の時はお小遣いで、本やCDを買っていました。けど、少ないお小遣いの中でじっくり考えて、何を買おうか純粋に選んで買っていた。
大学生や社会人になって自分の使えるお金を自分で稼げるようになると、その「選択」はわりと緩くなったと思う。CDはAmazonで買って、本はいつも本屋さんで新刊で単行本を買っていて、あまり文庫を買っていなかった。
現在はほぼ文庫。しかもほぼ古本。CDなんてもう何年も買ってない。DVDは5枚でいくらのを買ったり。でもNetflixを契約しているので最近はほぼ買っていない。
なので、「売る側」としての愛子の気持ちを読んで、はっとさせられるものがあった。
そして、「選択」についても。
今までいろんな選択があった。それを全部選んできた。
「高校受験」「クラブ活動」「大学受験」「留学」「就職」「結婚」「海外での生活」・・・。そしてこれからもたくさんの選択肢が私にはある。今までを振り返ってきて、私は「正しい選択」にしてきたと思っている。
今もいろんな選択肢があって、迷ったりしているけれど、私はどの選択をしても「これで正しかったと思う」と思う。
作中の中で愛子がした選択、碧がした選択、ほかのメンバーや候補生がした選択。
きっとそれぞれ「正しかった選択」だと思う。
この小説を読んで、私は自分の気持ちを言葉として表現することができなかった。でもとても心に残る小説だった。
【2019年夏映画化】チア男子!!
著者 朝井リョウ
【内容】
大学1年生の晴希は、道場の長男として幼い頃から柔道を続けてきた。だが、負けなしの姉と比べて自分の限界を悟っていた晴希は、怪我をきっかけに柔道部を退部する。同時期に部をやめた幼なじみの一馬に誘われ、大学チア初の男子チームを結成することになるが、集まってきたのは個性的すぎるメンバーで…。チアリーディングに青春をかける男子たちの、笑いと汗と涙の感動ストーリー。
【感想】
★★★★★
2作目にしてすごいクオリティでした。
ほんと笑いあり、涙あり。最後のところなんてもうぶわぁーーーってなりました。
男子のチアなんて、本当にあるんですね!YouTubeで探してしまいました。
そしてかっこよかったです!早稲田のは有名みたいですね。朝井リョウさんの出身大学ということで書かれたんですかね。
名古屋のもあって、それはまた髪色が派手で、パンツも金色と、「さすが名古屋!」って感じでした。
やっぱり朝井リョウさんの文章の表現、好きです。
ある勘違いから一馬が「世界一美しい土下座」をするんですが、それを想像したらもう面白くて面白くて。
そして、最後の「儀式」すばらしかったです。ここは感情が爆発して涙がぼろぼろと止まりませんでした。
映画化すごく楽しみです!
【ちわー!三河屋です】ことぶき酒店御用聞き物語
著者 桑島かおり
2018/12/07刊行予定
【内容】
知る人ぞ知る温泉街にある「寿酒店」を継いだ寿ミツルは、一軒一軒に注文を取りに伺う、昔ながらの御用聞きを続けていた。その理由は、霊感の強い寿一家が旅館を守る屋敷神たちの用事や困りごとに応じるためだった! あるとき、温泉街に新進気鋭の「サクラリゾート」がオープンすることとなり、街は大騒ぎ。イケメン若手社長をはじめ、幼馴染みの神社の息子や個性豊かな屋敷神たちに囲まれ、ミツルは今日も旅館の間を駆け巡ります! 読めばちょっとお酒が飲みたくなる、人情お仕事物語。12月より3巻連続刊行予定。
【感想】
★★★★☆
「御用聞き」今ではあまり聞かない仕事ですが、サザエさんの「三河屋さん」サブちゃんでおなじみのこのお仕事をする女の子が主人公。
ホテルに住み着く神様たちの御用を聞きつつ小さな事件を解決したり、困りごとを解決したり。
それぞれの神様のキャラクターも個性的で面白く、楽しく読むことができました。
日本酒が飲みたくなってきてしまいます。日本酒のうんちく、もっとあったらよかったのに!
願わくばヒロインミツルと匠の恋の行方もみたかった!!!
何度も何度も「匠!いけ!!そこだ!」と応援してしまいます。3巻連続刊行予定なので続きが見たくてたまらないです。
【可愛いわらしちゃんと共同生活】座敷わらしと同居中!?
著者 むめみつき梅
【内容】
久しぶりに田舎の祖父宅に帰った真理にくっついてきたのは座敷わらし!? 先祖代々引き継いできた旧家から都内の1Kに”引っ越し”てきたという。こうして大学生男子・真理とわらし、二人の共同生活が始まった。でも、わらしちゃんが周りから見えないため、様々なトラブルが起きて――。
【感想】
★★★☆☆
ただただ、ひたすらにわらしちゃんがかわいい。
ひょんなことから祖父の家から連れてきてしまった座敷童のわらしちゃん。
ちいさい少女かペットのような存在とくらしているようなにぎやかな一人暮らし。
ほんわかじんわりとするお話でした。
でもずっとこんな感じだと絶対この主人公の真理(しんり)、彼女できない(笑)
うちにもわらしちゃんがいたら楽しそう!と思いました。
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【大満足の一冊】短劇
著者 坂木司
【内容】
懸賞で当たった映画の試写会で私が目にしたのは、自分の行動が盗撮された映像だった。その後、悪夢のような出来事が私を襲う…(「試写会」)。とある村に代々伝わる極秘の祭り。村の十七歳の男女全員が集められて行われる、世にも恐ろしく残酷な儀式とは?(「秘祭」)。ブラックな笑いと鮮やかなオチ。新鮮やオドロキに満ちた、坂木司版「世にも奇妙な物語」。
【感想】
★★★★★
面白かったです。ショート・ショートでどの話も短いですが、中身はどの話も満足!
特に好きだったのは
「物件案内」です。自分にぴったりの物件を紹介してくれるのですが、オチに「なるほど!確かに物件!」と思いました。とてもよかったです。
「ゴミ掃除」や「試写会」は怖い!と思いながらも世にも奇妙な物語風で面白かったです。
「秘祭」もなかなか面白かったですね。ある意味一番怖い!!!!
「世にも奇妙な物語」が好きな人は必読の一冊です。
【絵本の力で心を治す】絵本処方院ウサミの謎カルテ
著者 古都こいと
【内容】
どんな薬より“傷んだ心”に効く絵本、処方いたします
院長のガラが悪いことを除けば、患者に優しく評判の良い病院「ウサミ医院」。
そのもう一つの顔は、患者の「心」を治すべく「絵本」を処方する「絵本処方院ウサミ」。夜だけ開院する絵本処方院には、噂を聞きつけた人が様々な悩みを抱えてやってくる。居候件バイトをするハメになった森野ありすは、「絵本処方院」の仕事にまきこまれるのだが……。
言葉の優しさと人の温かさに思わず涙こぼれる連作短編集。
【感想】
★★★★★
小さいころ、絵本が大好きでした。家にはシリーズで絵本がそろっていたし、素敵な絵本を買ってもらっていつも読んでいました。
このお話は「絵本」を処方することによって心を治療していく物語。
出てくる絵本は知っている有名なものから知らないものまで。
どれも読みたくなります。一番読みたかったのは「うちのパパが世界でいちばん!パパのつかいかた33」です。
連作短編で、どのお話もほろりと来るものがありました。
心がじんわりとあたたかくなる本です。
絵本が好きな人にも、また、子供にどんな絵本を読んであげるかの参考にも。
(P[こ]8-1)絵本処方院ウサミの謎カルテ (ポプラ文庫ピュアフル こ)
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