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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【途中下車は不可能、怖さのジェットコースター】スイート・マイホーム

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2019/01/10発売予定

著者 神津 凛子

【内容】

【ドイツでの癌治療体験私小説】前立腺歌日記 

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著者 四元 康祐

【内容】

【読んでいくうちにぞくっとする】Q&A

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著者 恩田陸

【内容】

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず―多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か?異臭は?ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は?そもそも、本当に事故なのか?Q&Aだけで進行する著者の真骨頂。

 

【感想】

★★★★★

ショッピングモールで起きた、原因のわからない死傷者がたくさん出た事件について、すべてが会話で話が進んでいく。

読んでいくうちにだんだんきな臭くなっていき、怖さが増す。

 

はじめはガス漏れや火災か何かかと思ってみんな一斉に逃げ出すも、実際にガス漏れや火災の痕跡もなし。いくつかみんなが逃げ出す前に変わったことがある。それは、万引きをする老夫妻、液体が入った袋を床に投げつけた男・・・・など。

一体原因は何だったのか。亡くなった人はほぼ逃げ出したことによる圧死。

 

事の真相を知るタクシー運転手、その真相と彼のその後にぞくっとします。

インタビューや会話を通して、背中がぞくぞくしてきます。

とても面白かったです。

 

 

単行本とは少し内容が変わっているらしく、両方読んでみたいなと思いました。

 

Q&A (幻冬舎文庫)

Q&A (幻冬舎文庫)

 
Q&A

Q&A

 

 

【好きになっていく過程にきゅんとする】隣の席の佐藤さん 

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著者 森崎緩

【内容】

実写PVがYouTubeにて公開中の
第6回ネット小説大賞受賞作!
コミカライズも決定!!

地味で、とろくて、気が利かなくて。おまけに大して美人でもないクラスメイトの佐藤さん。なのに隣の席になった途端、気になり始めたのはなぜだろう。ひねくれもの男子が、隣の席の地味な女の子に惹かれていく話。

 

【内容】

★★★★★

読み終わった後、PVも見てみました。

こちらです。


隣の席の佐藤さんPV_long_ver.

 

うわー。想像した通りの佐藤さんな感じ!いい!!

 

はじめは「あまり可愛くない」隣の席の佐藤さんが、どんどんかわいく見えてきて、いつの間にか恋に落ちる。


短いエピソードを重ねる中で、だんだんと変化していく気持ちに胸がきゅんとなる。


人を好きになっていく過程が、もう恋愛のときめきから遠ざかっている私にはとても新鮮でたまらなかったです!きゅんきゅんしました。

 

そして、友人から見る佐藤さんと山口くんもすごくいい!はたから見るとこんな感じなんだとにやにやが止まりません。

 

とてもかわいかったです。

 

 

隣の席の佐藤さん (一二三文庫)

隣の席の佐藤さん (一二三文庫)

 

 

 

【走ることの美しさ、強さがふんだんに詰まった一冊】風が強く吹いている

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著者 三浦しをん

【内容】

箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」――純度100パーセントの疾走青春小説。

 

【感想】

★★★★★

ただただ素晴らしかった。

 

実は箱根駅伝とか、マラソンとか、普段テレビで見たことがなかったんです。

全く興味がなかった。走ってるだけじゃんって。

 

いや、こんなにドラマが詰まってるものなんですね。

箱根駅伝のはの字も知らないど素人ですが、箱根駅伝の仕組みから何からすべてわかりました。見たことないけど。

 

今となっては箱根駅伝がリアルタイムで見られる日本に住んでいないのが悔やまれる。

もう年末だし。箱根駅伝に出るチームは最後の調整に入ってるんでしょうね。

 

大学のおんぼろ寮に集まった素人も含む10人が箱根駅伝を目指すストーリー。最後の箱根駅伝のシーンは涙なしでは読めませんでした。すごく良かったです。

 

 とりあえず、読んでほしい。

風が強く吹いている (新潮文庫)

風が強く吹いている (新潮文庫)

 

 

 

【一人では学べないこともある】居酒屋すずめ 迷い鳥たちの学校

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著者 桜井美奈 

【内容】

【2回驚く】アンドロイドの恋なんて、おとぎ話みたいってあなたは笑う? 

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著者 青谷真未

【内容】

あなたは、ただひとつの恋人だ った--。

佐藤真白は、義肢のリハビリ専 門病院で事務スタッフとして働 いている。外見が生身の女性と 寸分違わぬ精巧さで作られてい るため、周囲には気づかれてい ないが、実はある研究機関から 送り込まれたアンドロイドだ。 ある日、院内の庭で散らばった カードを集めている青年・響に 声をかけられる。響は事故で左 腕を失い、義肢のリハビリのた め病院へやってきていた。屈託 なく笑う快活な響とのふれあい の中で、真白の中で処理しきれ ない感覚が生まれ始めて……。

 

【感想】

★★★★★

先日読んだ「代体」にも似た感じのお話です。こちらを読んだなら「代体」もおすすめです。

 

piyopiyobooks.hatenablog.jp

 

主人公はアンドロイドの女の子、佐藤真白。病院で働く彼女はある日佐藤響という男の人に恋をする。

ぎこちないながらも響に気持ちを伝え、付き合うことになった。病院からは出られないので、シアタールームで映画「ロミオとジュリエット」を一緒に観るなどデートをしたり。

でもこういった気持ちはアンドロイドにとっては「エラー」。
アンドロイドは、恋をしない。
エラーに気付かれてメンテナンスに出されることになり、そこで思わぬ衝撃の事実が。 そして最後、響のとった行動に「ロミオ!!!」と思わずにはいられなかった。号泣必至。

衝撃の結末!なんてよく言いますが、二回も衝撃を受けるとは。

最後はとても暖かい気持ちで読み終えることができました。暖かな涙があふれてきます。
切ないけれどとても素敵なお話でした。