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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【ただの短編集と侮るなかれ】ずっとあなたが好きでした

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著者 歌野晶午

【内容】

バイト先の女子高生との淡い恋、転校してきた美少女へのときめき、年上劇団員との溺れるような日々、集団自殺の一歩手前で抱いた恋心、そして人生の夕暮れ時の穏やかな想い…。サプライズ・ミステリーの名手が綴る恋愛小説集は、一筋縄でいくはずがない!?企みに気づいた瞬間、読み返さずにはいられなくなる一冊。

 

【感想】

★★★★★

660ページもあり、読みごたえも抜群。

最初は一冊の長編小説だと思ったのですが、読み始めてみたら恋愛をモチーフにした短編集。

でもそこかしこに歌野晶午さんらしいサプライズやトリックがちりばめられていて、どの話も面白くよめました。

 

が!!!!

 

さすが歌野晶午さん。最後にとびきりのサプライズを用意してくれてました!!!!

「女!」という話の最後の2行で「あれ?」と思い、その次の話「錦の袋はタイムカプセル」で「えええええ!」と。「おまえだったのか!!!!」となります。

最後の解説で詳しく説明してくれてますが、2度読み、3度読み必至の本でした。お買い得感半端ないですね。

 

 

ずっとあなたが好きでした (文春文庫)
 

 

 

 

 

【あの子供たちの、その後】心音

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著者 乾ルカ 

【内容】

【現代の風刺などバラエティに富んだショートショート】オバペディア

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著者 田丸雅智

【内容】

 

【待ってましたの第三弾】みんなでつくる 意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語 参

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氏田雄介[編著] 武田侑大[イラスト]

【内容】

【感想】

★★★★★

待ってましたの第三弾!
相変わらず面白かったです。

特に最後から最初に戻って謎が解ける話や、右から読むのと左から読むのでは意味が180度変わってしまう文章。とても上手くできている作品ばかりでした。

 

日本語って面白い!と思わせてくれます。

 

piyopiyobooks.hatenablog.jp

 

 

意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語

意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語

 
意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 ゾク編 54字の物語 怪(かい)

意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 ゾク編 54字の物語 怪(かい)

 
みんなでつくる 意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語 参

みんなでつくる 意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語 参

 

 

 

 

【独り占めするにはもったいない】#ひとりじめ飯

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著者 細川芙美 

【内容】

セブンルールズに出演し大反響! VERYやHERS、ELLEをはじめとした女性誌・ファッション誌にも続々と登場!! 永谷園クックパッドなどの企業とのコラボレーションも次々に発表し、今一番話題のフードケータリングといえば名前が上がる料理家の細川芙美さん。彼女の初めてのレシピ単行本。夜中にひとりで食べる、魅惑の麺類、がっつりお肉、ほかほかご版に溶けたバター……。誰かのための料理ではない。自分の、自分による、自分だけのためのレシピ。それが”ひとりじめ飯”。日々の暮らしに追われる大人たちが、夜中のキッチンで、遅く起きた休日のブランチに、何もしたくない午後に……気持ちをアップさせ自分自身をを”あやす”ために作る最高に美味しくて、めんどくさくない料理。

 

【感想】

★★★☆☆

オシャレでインスタ映えしそうな簡単ご飯。
ひとりじめしてしまうにはもったいないくらいのひとりじめ飯がたくさん。
そしてハッシュタグには共感の嵐。
秋のタグの#夏より大人になった気分は本当にそう!

 

季節ごとに分けられてるのもいいですね。
おかきを入れた味噌汁には衝撃!そんなの思い付きもしなかった。
人に出したらなんだこれってなるかもしれませんが、自分だったらむしろやってみたい。

 

見てるだけでお腹がすいてくるレシピ本でした。

 

 

#ひとりじめ飯

#ひとりじめ飯

 

 

 

【平成を駆け抜けた、ある存在しない男の話】Blue

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著者 葉真中顕 

【内容】

平成という時代があった。

平成が始まる日に生まれ、終わる日に死んだ一人の男がいた。名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。

 

平成15年12月、青梅で教員一家5人の刺殺事件が発生する。藤崎たち警察は、次女の篠原夏希(31)がほかの4人を惨殺した後、薬物摂取の心臓発作で亡くなったと推察するが、実は凶器に夏希以外の指紋があり、第三者がいたことがわかっている。事件はその後、夏希の驚愕の真実が明らかとなることで行き詰まっていく。

平成31年4月、あと少しで平成が終わる時、多摩ニュータウン団地の空き室で血まみれの男女の死体が発見される。殺されていた二人には子供がいて、彼らはネットカフェ難民だったことがわかるーー。

 

平成元年に生まれた男。平成15年に迷宮入りした殺人事件。平成が終わる直前に起きた殺人事件。それらが平成という時代の中でつながっていく。

平成が終わる今だからこそ、平成30年間の社会や文化の変化を描きながら、児童虐待、子どもの貧困、無戸籍児、モンスターマザーと、現代社会の問題に迫る、クライムノベルの決定版。

 

【感想】

★★★★★

平成が始まった時に生まれ、平成の終わりとともに消えた、平成を駆け抜けた、しかし存在していないブルー。


色んな人物のモノローグが交錯し、初めは全体的にぼんやりとしているが、どんどん読む手が止まらなくなってくる。

 


そして合間合間に挟まれた、平成を象徴する歌や出来事。

そして平成を震撼させた、様々な問題。

平成がもうすぐ終わるということで、とてもノスタルジックになりながら読むことができた。

 

 

Blue

Blue

 
Blue(ブルー)

Blue(ブルー)

 

 

【五感に響き渡る】極彩色の食卓

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著者 みお

 

【内容】