【本当に怖いのは誰?】お見合い
著者 吉村達也
【内容】
大好きな史也と結婚する前に、一度だけ「お見合い」というものをしてみたい。満たされた恋で幸せな毎日を送る滝真由子にとって、それは余裕の気持ちが産み出したほんの遊び心。恋人の史也も、笑って賛成してくれた。そして真由子は、親戚からきた見合いの話に、ふざけ半分で応じることにした。だが、お見合い相手の男は真剣だった。真由子の魅力に一目惚れをした彼は、思いつめた表情でこう言った。「私はガムテープ男です。一度くっついたら離れません」
【感想】
★★★★☆
ガムテープ男、いや普通にはがれるよね、ガムテープ。
最初はこのキャッチフレーズで読み始めましたが、あまりガムテープというワードは効いていないかも。
結婚する前に、一人の人としか付き合ったことがないからお見合いをしてみたい。そんな遊び心からお見合いをすることになった真由子。お見合い相手は彼氏よりもイケメンで、ひとめぼれをしてしまった。
しかし実はその正体は「ガムテープ男」実は彼女の過去にもかかわっていて、読み進めるうちに「逃げろーーー!」となる。
婚約者史也も父と協力してその男から真由子を救おうとする。
が、実は、本当に怖かったのは・・・・。
なかなか面白かったです。
【ヤングケアラーについて知ってほしい】with you
あなたは“ヤングケアラー”と呼ばれる子どもたちを知っていますか?
中学三年生の悠人は、高校受験を控えている。優秀な兄・直人や、家族を置いて家を出ていった父親、悠人でなく直人に大きな期待をかける母親、といった家族のなかで、自分の存在意義を見出せない悠人は、日課にしていたランニングの途中、公園のブランコに座る少女・朱音と出会う。どこか影のある表情の朱音に、次第に惹かれていく悠人。朱音が、病気の母親の介護や幼い妹の世話、家事をひとりで背負う“ヤングケアラー”であることを知った悠人は、彼女の力になりたいと考えるようになるが……
母親の介護に携わる“ヤングケアラー”の少女・朱音に恋をした中学生・悠人の物語を通して、「誰かを大切に思うこと、社会へ目をむける機会」を読者に提供する児童文学です。
【感想】
★★★★★
本屋さんコーナーの「児童書」や「福祉」コーナーに是非置いてほしい本だと思いました。あと学校の図書館にも入れてほしい。これは小学校高学年くらいから大人まで、すべての人に読んでもらいたいです。
恥ずかしながら「ヤングケアラー」という言葉については私は知りませんでした。
でもニュースで以前もう大きくなってはいましたが上の娘が親の産んだ子供(兄弟がたくさんいる家庭)で家事や育児を任されて、負担がひどく兄弟を殺してしまったという記事を見ました。あと、孫が祖母の介護を任されて祖母を殺害してしまった記事もありました。事件になった時は未成年ではなかったかもしれませんが、いつから介護をしていたのかはわかりません。
超高齢化社会なので、どうしても高齢者が増え、老々介護もでてきています。
そして未成年者が介護をしたり、親が病気で家事をしたりなどもあるでしょう。
未成年者は行政のヘルプを知りません。だってそんなこと学校で勉強しないし。
だから学校の「道徳」などの時間で「ヤングケアラー」について取り扱ったりした来意かなと思います。
この物語では悠人の母親が朱音のいいアドバイザーになってくれました。でもそんな人なかなかいません。福祉に詳しい人なんて、私の身近にもいません。私も知りません。
なので、この本を見て非常に勉強になりました。
【吸血鬼の小説家が事件を解決】憧れの作家は人間じゃありませんでした
著者 澤村御影
【内容】
憧れの作家・御崎禅の担当編集者になった瀬名あさひ。その際に言い渡された注意事項は「昼間は連絡するな」「銀製品は身につけるな」という奇妙なもの。実は彼の正体は吸血鬼で、人外の存在が起こした事件について警察に協力しているというのだ。捜査より新作原稿を書いてもらいたいあさひだが、様々な事件が持ち込まれる中、御崎禅がなぜ作家になったのかを知ることになる。第2回角川文庫キャラクター小説大賞《大賞》受賞作。
【感想】
★★★☆☆
イケメン吸血鬼小説家が警察と協力して事件を解決する話。
御崎は「みさき」だけどついついなぜか「おざき」と読んでしまう・・・。
イケメン吸血鬼小説家という肩書がもうなんかすごい。どれか二つくらいでよくない?
担当になったあさひさんはこれきっと御崎のこと好きになるんだろうなーと思ってしまうのがまたなんか興ざめしてしまうというか。だってイケメンだしその小説の大ファンだし。
キャラクターはみんないいんだけど、なんかそこまでハマりませんでした。准教授シリーズのが好きかな。
【イケメン准教授と嘘が見抜ける男子大学生の怪奇現象推理】准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき
著者 澤村御影
【内容】
「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」
人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、
怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。
高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――?
このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。
――「第一章 いないはずの隣人」
ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも…。
――― 「第二章 針を吐く娘」
肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。
――「第三章 神隠しの家」
ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが
民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!!
【感想】
★★★★☆
kindleで読みましたが、紙で集めたくなりました。
10歳の頃、不思議なお祭りに出かけてから人の嘘が分かるようになってしまった深町尚哉。彼がイケメン准教授・高槻と一緒に怪奇現象を解決していくお話。
よくある設定だし幽霊物件のお話なんて推理の答えを聞く前にわかってしまうようなお話ですが、高槻は昔神隠しにあったことがあるという秘密を持ち、深町尚哉も嘘が分かってしまう不思議な能力もあり、楽しく読むことができました。
あと男教授と女子じゃなく男子大学生というコンビも最終的にココくっつくんだろうなところもなくいいなって思いました。
続刊も読んでみたいです。できれば紙書籍で。
【ほっこりする神様のお話】すべての神様の十月
著者 小路幸也
【内容】
帆奈がバーで隣り合ったイケメンは、死神だった!? 死神は、これまでに幸せを感じたことがないらしい。なぜなら幸せを感じた瞬間……(「幸せな死神」)。貧乏神に取り憑かれていた雅人。そうとは知らず、彼は冴えない自分の人生を〝小吉人生″と呼び、楽しんでいたのだが……(「貧乏神の災難」)。人生の大切なものを見失った人間の前に現れる神々たち。その意外な目的とは? 優しさとせつなさが胸を打つ連作短篇集。
【感想】
★★★★★
短編集なので時間がないときも少しずつ読むことができるし、どのお話も読後感がよいです。
死神、貧乏神、疫病神などできれば近寄りたくない、近くにいてほしくない神様のお話もありますが、どれもほっこり。
私は中でも疫病神と九十九神のお話がとても好きでした。
叔父さんはイケメン小児科医で、お母さんたちから追い掛け回されないためにいつも冷たく事務的にお母さんたちと接している。ある日、診察室で和服美人を見かけ、叔父さんは今まで他の看護師さんには見えたことがないのに姪っ子は見えるのかとびっくり。ある日その和服美人に話しかけてみると・・・というお話。
とてもよいお話でした。
そして九十九神様のお釜さんのお話。
炊飯器がある今、お釜でご飯を炊くことなんてなかなかないけれど、ずっと家でわざわざ使ってきて、社会人になって一人暮らしするときにわざわざ連れてきたお釜。お釜さんとの会話もほっこりだけどその後の展開がとてもよかったです!!感動。
どのお話も読後感がよく、楽しめました。
【昔ドラマでやった密室ミステリ】硝子のハンマー
著者 貴志祐介
【内容】
日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて……。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。
【感想】
★★★★☆
昔「鍵のかかった部屋」というタイトルで嵐の大野くんが主演でドラマをやってました。好きだったんですよね、このドラマ。文章で読んでも大野くん、役にハマっているなあと思います。
さて、密室殺人。殺されたのは介護猿や介護ロボットなどで介護現場を楽にしようと考えていた介護サービス会社の社長。密室で撲殺。第一発見者はガラス清掃の男性。
隣の部屋で寝ていた専務が逮捕されたものの身に覚えがない。
かなりセキュリティに厳しかったようで、エレベーターも暗証番号を入れないと12階まで上がれない、廊下にもカメラ、窓は一度空気銃で銃撃を受けて強化ガラスになっている。
この殺人事件、凶器はタイトルの通り「硝子のハンマー」だったわけですが、最後なるほど、そうやって・・・・と感心しました。
それにしても泥棒にはいられないためのセキュリティなど。いろいろと役に立つチップも書いてあり、なるほど!と思わせてくれるお話でした。
【残された時間をどう生きるか】余命10年
著者 小坂流加
【内容】
第6回静岡書店大賞 映像化したい文庫部門 大賞受賞作
20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。涙よりせつないラブストーリー。
【感想】
★★★★★
20歳からの10年というのは人生で一番輝いているときだと思う。
その10年を余命を気にしながら過ごさなければいけない茉莉。
趣味を楽しみ、恋に落ち、そして死ぬ準備をする。
余命を言われたときに同じ病気で亡くなった女性を知っていて、残された家族の気持ちなどを知っているので自分は結婚できないなと思う茉莉。
確かに20歳で「10年以上生きた者はいない」と言われたら新たに大切な人を作るなんて難しいと思う。
それでも恋に落ちてしまった。相手は昔の同級生。
いつかは別れなきゃと思いながら、同級生の境遇などで背中を押す茉莉。
別れの瞬間はとても辛く、でも「死ぬ準備ができた」という茉莉。彼女の気持ちは彼女にしかわからないが、とても辛かった。
ボロボロ泣いた。そして著者さんもこの本を書き上げた後亡くなったとか。
文中で茉莉の病名は明かされていませんが、著者さんも肺動脈性肺高血圧症(原発性肺高血圧症)という病気で亡くなっているので、おそらくこれだと思います。
彼女の自己投影も入っていたのではないでしょうか。大号泣でした。
ところでブラックフライデーでKndle unlimited が3か月なんと99円!もちろん入るよね。でも少し本を探すのが探しにくいなあと思った。3か月後続けるかどうか、うーんこのかんじだと解約かな。小説もパッと目を引くようないいものがたくさんあるわけではない。マンガも1巻だけとか。あとラノベはたくさん。小説を人気順に探してもやたら出てくる官能小説・・・。なので専らコミックエッセイやファッション、料理、お片付けインテリアなどの実用書を読んでいます。
こういった本はまず自分で買わないのでそれに関してはいいなと思う。でもこれに1か月980円は出さないかな。雑誌は楽天マガジン取ってるし・・・という感じでした。
ラノベ好きにはおすすめかもしれません。たくさんあるので。