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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

★★★★★

【悪だくみ三人組の後始末をさせられるフランス人ちゃっかり神父】モッキンポット師の後始末

著者 井上ひさし 【内容】 食うために突飛なアイディアをひねり出しては珍バイトを始めるが、必ず一騒動起すカトリック学生寮の“不良”学生3人組。いつもその尻ぬぐいをさせられ、苦りきる指導神父モッキンポット師──ドジで間抜けな人間に愛着する著者が、お…

【神は何もせず、ただ沈黙するのみ】沈黙

著者 遠藤周作 【内容】 「転びキリシタン」もまた、「神の子」なのか? カトリック作家が描く、キリスト教文学の最高峰。 島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる…

【多様性を考える本】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

著者 ブレイディみかこ 【内容】 イギリス南部の都市ブライトンで生まれ育った中学1年生のぼく。パンクな母ちゃんとダンプの運転手の 父ちゃんの間に生まれた一人息子で、「いい歳をして反抗的でいい加減な」母親とは違い、 学校ランク第1位の公立小学校で…

【表紙の矢を射る姿に惹かれてしまう】黄金の烏

著者 阿部智里 【内容】 史上最年少で松本清張賞を受賞した著者による、異世界ファンタジー第三弾。八咫烏が支配する世界「山内」を舞台に、世継の花嫁の座を巡る姫君たちの駆け引きと、その家族の権力闘争を描いた『烏に単は似合わない』は、選考会でも大き…

【脳も気持ちもスッキリした】佐藤可士和の超整理術

著者 佐藤可士和 【内容】 整理術を磨いていくと、仕事を取り巻く環境がみるみる快適になっていくのが実感できるはずです。それに伴い、仕事の精度も劇的にアップしていることでしょう。この本で僕が述べる整理術とは、整理のための整理ではなく、快適に生き…

【思春期の生々しさがとても濃厚な一冊】しろいろの街の、その骨の体温の

著者 村田沙耶香 【内容】 2013年に三島賞を受賞。14年に第一回フラウ文芸大賞受賞作の文庫化。 クラスでは目立たない存在である小4の結佳。女の子同士の複雑な友達関係をやり過ごしながら、習字教室が一緒の伊吹雄太と仲良くなるが、次第に伊吹を「おもち…

【バナナはおやつにはいりますか?】みらいのえんそく

著者 ジョン・ヘア 【内容】 今日は宇宙遠足の日です。 子どもたちは、宇宙ステーションから月への小旅行を楽しみにしていました。 無事、月面に着陸した子どもたちは、月の割れ目を飛び越え、 はるかかなたの地球が眺められるクレーターに到着しました。 と…

【文は短いが想像力を掻き立てる】あっちがわ

著者 イシズマサシ 【内容】 この世のものとは思えない 15のこわい話 決して一人では読ませないでください この世のものとは思えない、怖くて奇妙な出来事。ここは本当にぼくの町なの? それとも……。 一話一見開きで展開するたたみかける恐怖。きみはつぎの…

【何よりも絵が怖い】まどのそと 

著者 佐野史郎 【内容】 怪談えほん〈第3期〉、ついに刊行スタート! 怖いけど見たい、見たいけど怖い 佐野史郎とハダタカヒトが描くたえがたい恐怖。 かたかたかた…かたかたかた…ずっとなりやまない音。ねむりたいけどねむれない。 何度もよんだけど、ママ…

【監視しているのは誰だ!】目撃

著者 西村健 【内容】 誰かが私を監視している――!? 静かな住宅街で殺人事件が起きた瞬間、検針員として敷地内に足を踏み入れた奈津実は何を見たのか?離婚調停中の戸田奈津実は、電気メーターの検針員の仕事をしながら幼稚園に通う幼い娘を一人で育ててい…

【ただの短編集と侮るなかれ】ずっとあなたが好きでした

著者 歌野晶午 【内容】 バイト先の女子高生との淡い恋、転校してきた美少女へのときめき、年上劇団員との溺れるような日々、集団自殺の一歩手前で抱いた恋心、そして人生の夕暮れ時の穏やかな想い…。サプライズ・ミステリーの名手が綴る恋愛小説集は、一筋…

【あの子供たちの、その後】心音

著者 乾ルカ 【内容】 私は、一億五千万円さんと呼ばれていました。 城石明音は先天性の心疾患を患っていた。両親は渡米しての心臓移植手術を決断する。そのためには1億5千万円という莫大な費用が必要だった。募金活動の末、明音はチャーター機でアメリカ…

【待ってましたの第三弾】みんなでつくる 意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語 参

氏田雄介[編著] 武田侑大[イラスト] 【内容】 爆笑問題・太田光さん推薦!! ――あの短編の名人、星新一先生が天国でこの本を読んだら、こう言って笑うかもしれない。「私は書きすぎだったかな?」 9マス×6行の原稿用紙につづられた、世界一短い(かもしれ…

【平成を駆け抜けた、ある存在しない男の話】Blue

著者 葉真中顕 【内容】 平成という時代があった。 平成が始まる日に生まれ、終わる日に死んだ一人の男がいた。名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。 平成15年12月、青梅で教員一家5人の刺殺事件が発生する。藤崎たち警察は、次女の篠原夏希(31)がほかの4…

【日本昔話を題材としたミステリー】むかしむかしあるところに、死体がありました。

著者 青柳碧人 【内容】 昔ばなし‥‥なのに‥‥新しい!? むかしむかしあるところに、浦島太郎という漁師がおりました。ある日、太郎は、海辺でいじめられていた亀を助けました。亀はお礼にと、太郎を龍宮城に案内しました。その竜宮城で―――――事件は起こりまし…

【絡まった鎖がほどけたときのスッキリさ!】花の鎖

著者 湊かなえ 【内容】 毎年届く謎の花束。差出人のイニシャルは「K」――。 驚きのラストが胸を打つ、感動のミステリー。 両親を亡くし、愛する祖母もガンで入院中、さらに講師として働いていた英会話スクールが破綻し金銭的に困っている梨花。 建設会社で働…

【人によって、全然違う一日だった「あの日」】あの日からの或る日の絵とことば 3.11と子どもの本の作家たち

編 筒井大介 【内容】 「あの日から」を生きる、すべての人へ。 ――3.11と子どもの本の作家たち。 現代を代表する絵本作家たちが描く、震災をめぐる或る日の記憶。 *『翻訳できない世界のことば』のイラストブックシリーズ。 *現代を代表する絵本作家たちに…

【サスペンス×SF】帰去来

著者 大沢在昌 【内容】 大沢在昌、作家生活40周年記念の第1弾は、パラレルワールド警察小説 警視庁捜査一課の女刑事が、 「光和26年のアジア連邦・日本共和国・東京市」にタイムトリップした――。 警視庁捜査一課の“お荷物”志麻由子(しま・ゆうこ)は、連続殺…

【言葉を使った青春ミステリー】ことのはロジック

著者 皆藤 黒助 【内容】 元天才書道少年が恋したのは 日本語を愛する金髪転校生だった―― 「月が綺麗ですね」を超える告白をして、青春を取り戻せ! 書くべき言葉を見失った元天才書道少年の墨森肇は、金髪碧眼の転校生アキに一目惚れ。 しかし、アキの憧れ…

【皇室女子の苦しみは現代に生きる女性の苦しみとリンクしている】皇室女子

著者 香山リカ 【内容】 本書は、美智子さま、雅子さま、紀子さま、愛子さま、眞子さま、佳子さまの6人の皇室女性を通して見えてくる、日本の多くの女性たちが抱える共通の課題・問題を論じます。 働き方、婚約、結婚、出産、子育て、ジェネレーション・ギ…

【まんまと騙された】悪いものが、来ませんように

著者 芦沢央 【内容】 助産院に勤める紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいた。彼女の唯一の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在の奈津子だった。そして育児中の奈津子も、母や夫、社会となじめず、紗英を心の支えにしていた。そんな2人の関係が恐ろしい事件…

【女性南極料理人】南極ではたらく

著者 渡貫淳子 【内容】 平凡な主婦の料理と生き方を変えた南極での1年4ヵ月の挑戦を綴った初の著書!! 結婚後は一旦職場を離れ、母として家事・育児に奮闘する日々を送ってきたが、 一念発起して南極観測隊の調理隊員にチャレンジ。 3度目の挑戦で見事合格を…

【冬が来るたびに死にそうになる話】この冬、いなくなる君へ

著者 いぬじゅん 【内容】 「この冬、君は死ぬ」謎の男に告げられた24歳の菜摘の運命は…。 ラストのどんでん返しに驚愕! 涙が溢れる著者渾身の最新作。 文具会社で働く24歳の生久田菜摘は仕事もプライベートも充実せず、無気力になっていた。ある夜、ひとり…

【メガネ萌え?それとも年下男子萌え?】ランドルトの環 

著者 八幡橙 【内容】 いくら身体を重ねても、完全に満たされることはない。 だから俺は、今日もまた会いに来てしまう――。 高校二年生の瞬の前に現れたのは、20歳以上の年の差がありながら、まるで魂を分けあったかのように心が通じる女性、那知だった。那知…

【韓国の真実】82年生まれ、キム・ジヨン

著者 チョ・ナムジュ 【内容】 女性が人生で直面する差別の現実を正面から描く! 韓国で絶大な共感を得て100万部、 社会現象となった異例の大ベストセラー小説、ついに日本上陸。 ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。誕生…

【いい意味で裏切られた結末】烏に単は似合わない 

著者 阿部 智里 【内容】 史上最年少松本清張賞受賞作 人間の代わりに八咫烏の一族が支配する世界「山内」ではじまった世継ぎの后選び。有力貴族の姫君四人の壮大なバトルの果て……。史上最年少の松本清張賞受賞作品。解説・東えりか 松本清張賞を最年少で受…

【本当に自分の兄なのか、盲目だからわからない】闇に香る嘘

著者 下村敦史 【内容】 村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。和久は兄の竜彦に移植を頼むが、検査さえも頑なに拒絶する兄の態度に違和感を覚える。中国残留孤児の兄が永住帰国をした際、既に失明していた和久は兄の…

2018年 おすすめ本ランキング

最近いろいろと忙しくなかなか本が読めていませんでした。 さて、2018年のお薦めランキングです。 第一位 神さまたちの遊ぶ庭 piyopiyobooks.hatenablog.jp 『羊と鋼の森』を書いた宮下奈都さんのエッセイ。北海道の僻地で暮らした記録です。とにかく面…

【関西弁の男の人ってなんかいいな】世界の端から、歩き出す 

著者 富良野馨 【内容】 京都での出会いが起こした 小さな、確かな奇跡。 就職も決まった短大二回生の秋、篠崎千晴のもとに叔母から奇妙な依頼が舞い込んだ。ずっと存在を知らされていなかった「叔父」に届けものをしてほしい、というものだった。戸惑いなが…

【途中下車は不可能、怖さのジェットコースター】スイート・マイホーム

2019/01/10発売予定 著者 神津 凛子 【内容】 第13回小説現代長編新人賞受賞作!選考委員 全員戦慄。「イヤミス」を超えた、世にもおぞましい「オゾミス」誕生。 スポーツインストラクターの賢二は、寒がりの妻のため、たった1台のエアコンで家中を暖めら…