【螺旋プロジェクト揃えたい】死にがいを求めて生きているの
著者 朝井リョウ
【内容】
誰とも比べなくていい。
そう囁かれたはずの世界は
こんなにも苦しい――
「お前は、価値のある人間なの?」
朝井リョウが放つ、〝平成〟を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語
植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。
二人の間に横たわる〝歪な真実〟とは?
毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。
交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、 目隠しをされた〝平成〟という時代の闇が露わになる。
今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。
【感想】
★★★★★
螺旋プロジェクトの本は先に伊坂幸太郎の『スピンモンスター』『シーソーモンスター』を読みましたが、朝井リョウは朝井リョウで彼らしい、「平成」+海山伝説をうまく織り込んだ話だと思いました。
智也と雄介の関係がすごく興味深かったです。智也人間出来すぎてて私は絶対にすぐ雄介見放しちゃうかなー。
「正義」っていう言葉はもうほんとそれぞれによって違っていて、今現在コロナ禍で「真実」について語る人もたくさんいるので、それと似たような感じだなあと思いながら読みました。
陰謀論を真実とするQアノン系の人たちの真実は、私にとって雄介みたいな感じに思えて、智也気分になりながら読みました。
螺旋プロジェクト、興味を持ったので全部集めたいなと思いました。