【晩婚・シニア婚の方法、課題】人は死ぬまで結婚できる
著者 大宮冬洋
【内容】
「結婚難」が止まらない。日本人の平均初婚年齢は年々上昇し、男性は30.7歳、女性は29歳。男性の23%は「生涯未婚」とされる一方で、結婚できても3組に1組は離婚する。
ひとりで生きていくと決意しても、「独居老人」「孤独死」といった不穏な単語が頭をよぎる。
人生100年時代、折り返し地点を迎えてから、伴走者を見つけたっていい。人はいつでも結婚できるし、それによって豊かに幸せになれる。年を重ねてからの結婚は「晩婚」ではない、「熟慮婚」なのだ。
80組以上の夫婦の取材から見えてきた、晩婚の幸せ、課題、婚活ノウハウを伝える。
東洋経済オンラインの人気連載「晩婚さんいらっしゃい!」を書籍化。
【感想】
★★★★☆
ニュースでも、街中でも、寺でも、ネットでも、どこでも目にする言葉「婚活」
この本は婚活を乗り越えて「晩婚」「シニア婚」された方の取材からどのようにして結婚に至ったか、どこで出会ったか、子供を持つ、持たないの問題に対してはどうなのか、そしてなぜ晩婚になったのかなどが詰め込まれた一冊です。
私自身は28歳、当時夫は29歳で結婚したので晩婚ではないのかなとは思いますが、やはり親族や友人にもバツイチ独身や独身のまま30を超えてしまった人が結構います。
結婚していない理由は人それぞれで、別に結婚という形にとらわれることもないし、今それで幸せならばいいんじゃないかなと思いますが、この本は
「結婚しなくても幸せにはなれるけど、結婚したら豊かな人生を送りやすい」という意見で書かれています。
やはりネット婚活やお見合いパーティなどが多く見受けられますが、ネット婚活、最近は怖いニュースが結構あるのでどうなのかな・・・と思ってしまいます。しかしこちら海外では、ネットで出会って結婚してる方(特に日本人×外国人の組み合わせ)も結構多くいらっしゃいます。なので、大きな声で「ネット婚活は怖い」なんて言えません。
30超えてくると、なかなか合コンにも行く機会がなくなってくるのかもしれません。私は昔の職業柄かなり行ってました(笑)
ただ、ひとつ面白いなと思ったのは「読書会」
「猫町倶楽部」という読書会なのですが、これで出会ってる方も結構いるそうで。私も読書会なら参加してみたいなと思いました。こうやって趣味で出会えるのはなかなか気が合いそうで面白そうですよね。でもスピード感から言ったらやはり「結婚相談所」などかもしれませんが。
また、晩婚、シニア婚になってくると「子供を持つ、持たない」の問題もあります。運よくすぐできればいいですが、不妊治療に頼らざるを得ない場合もあります。そういった場合、辛く苦しい時を乗り越えたり、はたまたそのまま乗り越えられずに終わってしまったりするので、この問題はかなりデリケートかつ深刻だと思います。もちろん若く結婚してもできないことって普通にあるのですが、やはり女性で35歳を超えると急がねばッて思いますよね。
里親、養子縁組制度などを考えるのも一つの手だと思いますし、人それぞれ考え方も違うと思います。
若い人で晩婚化を避けるために読むでもよし、30超えたけど、結婚どうしようかなと思って読んでみるもよし、結婚なんて考えない人が「へえ、こういう人生もあるのね」なんて読んでみるのもいいと思います。
私自身30を超えてから「いろんな人の考えがあるんだから、自分の考えと違っていても、へえ、そういう考えもあるんだな。くらいで思って他人に自分の考えを押し付けない」というふうに思い始めました。
周りで結構いるんですよね。特に子持ちの主婦に多い気がします。
自分の考えを押し付けたり「早く結婚したほうがいい。早く子供を持ったほうがいい。」っていう人。言われたほうもなかなか結婚してなくてきっと親などにも言われてたりすると思うんですよね。ただ嫌な気分になるだけだと思うので、そういうのの押し付けはしたくないなと思う今日この頃。
ただし、私も結婚して人生がより豊かになったかなと思います。
結婚して、子供を持っていてもやっぱり離婚したり、離婚まではしなくてもケンカばかりだったりするカップルも多いです。なので、どちらがいいのか、本当によくわからないなと思います。
【胸のすかない話】死にぞこないの青
著者 乙一
【内容】
飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、全部マサオのせいにするようになった。クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、彼の前に「死にぞこない」の男の子が現われた。書き下ろし長編小説。著者は、78年福岡生まれ。今後の日本ホラー小説界の将来を担う書き手として注目を集めている。
【感想】
★★★☆☆
きっかけは、ほんのささいなこと。
生き物係を希望していたマサオ。希望者は6人いて、生き物係になれるのは3人+補欠一名。担任の羽田先生から「じゃんけんとかじゃなくて、話し合いで決めなさい」と言われたものの、特に誰からも話しかけられずに一日が終わる。
次の日羽田先生から男の子2人が生き物係を辞退したと聞かされる。「君は生き物係なの?」と聞かれ、その男の子たちが辞退したのならと確かめもせずに「はい、生き物係です」と返事をする。嘘をついたわけでもない。ただ確かめなかっただけだし、先生が「男の子二人から辞退を告げられた」といったのだ。
そしてここから羽田先生に目を付けられることになる。
なにかにつけ注意を受けるマサオ。マサオのあくびのせいで授業延長、など。そんなことが続き、クラスメイトからもいじめられるようになる。
極めつけには「僕は悪い子です」と復唱させられ、だんだんと自分が悪いのではと思うようになる。本当にクズのような先生。
いじめを受けるようになってから、マサオには青い少年が見えるようになる。顔の真っ青な少年。マサオはそれをアオと読んだ。
アオの助言により先生と対決。
胸のすかないラストではあったけれど、ある意味リアルさがあった。
最後、マサオのクラスに新しい先生が来る。
がんばってもちょっと抜けたところのある先生で、マサオが「周りの人の評価を気にしないのか」と聞いたところ、彼女はこう答えた。
「がんばってる結果がこれなんだから、しょうがないでしょ。」
この一言で救われた気持ちになった。
【登場人物多っ!】ドミノ
著者 恩田陸
【内容】
些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作!
一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。下剤を盛られた子役の麻里花。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。昼下がりの東京駅、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが倒れてゆく!
Oh,My God! ! 怪しい奴らがもつれあって、東京駅は大パニック!
【感想】
★★★☆☆
最初にたくさんの登場人物が細切れに出てきます。
なので、誰だっけ!!と覚えるのがたくさん。でも最初のページに人物紹介が書いてあるので忘れてしまったらそこを見れば思い出せます。
そのたくさんの登場人物がそれこそドミノのように東京駅でパニックを起こします。
映画によくありそうな感じですね。
たくさんの登場人物が最後につながっていく感じ。楽しいコメディでした。
でも、夢中になったかなーというとそうでもなく。
恩田作品、読んだのはほかに「夜のピクニック」と「ライオンハート」。
今のところまだそこまでハマれてないな。「蜂蜜と遠雷」が読んでみたいのですが、果たしてハマれるかなー。
【予知能力者現る】6時間後に君は死ぬ
著者 高野和明
【内容】
突如、予告された自らの死。未来をかけた戦いが始まる!
緊迫のカウントダウン・サスペンス
ドラマ化された話題作、ついに文庫化!
6時間後の死を予言された美緒。他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。美緒は半信半疑のまま、殺人者を探し出そうとするが――刻一刻と迫る運命の瞬間。血も凍るサスペンスから心温まるファンタジーまで、稀代(きたい)のストーリーテラーが卓抜したアイディアで描き出す、珠玉の連作ミステリー。
【感想】
★★★☆☆
長編だと思って読んだら連作短編でした。
読みやすくてあっという間に読めてしまいます。
・6時間後に君は死ぬ
美緒はいきなり見知らぬ青年圭史に話しかけられ、6時間後にナイフで刺されることを予言される。ストーカーにあっていたこともあり、警察に言うと、警察のほうでも何やら誕生日にストーカーに殺される連続殺人事件を追っている様子。しかも毎回予言者が現れる。あっという間に6時間が経ってしまった。
・時の魔法使い
子供の時の自分が20年後の自分の前に現れるタイムリープもの。
自分の子供時代に会うことができたら私は何か伝えたいことはあるかなと考えた。
・恋をしてはいけない日
占い師・圭史に「来週の水曜日は恋をしてはいけない」と告げられた未亜。でもひょんなことから恋に落ちてしまった。しかし彼の様子がなんかおかしい。
この話が一番切なくて好きだった。最後「今日は恋をしてもいい日」と告げられて心が明るくなった。
・ドールハウスのダンサー
ドールハウスの美術館でダンサーの模型などを見る主婦。
最後の客を待つ支配人。
ダンサーとして成功するために成功を夢見る美帆。
この3つのシチュエーションがどうつながるのか、わくわくしながら読めた。
・3時間後に僕は死ぬ
今度死にそうなのは圭史。どうやら爆発に巻き込まれて死ぬらしい。
未来を変えるために奮闘。
全編通して予知能力者・圭史が出てくる連作短編でした。
高野和明さんの小説は結構いろいろ好きなのですが、今回は軽く読める感じでした。
【号泣必至】旅猫リポート
著者 有川浩
【内容】
野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年が経ち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。『僕の猫をもらってくれませんか?』一人と一匹は銀色のワゴンで“最後の旅”に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。永遠の絆を描くロードノベル。
【感想】
★★★★★
これは泣きます。
サトルが猫を手放さなければならない理由は予想通りでしたが、まさかもっといろいろ抱えていたとは思わなかった。
そんな事情を抱えながらも「自分は不幸ではない。幸せだった。」と言えるサトル。
その気持ちに大号泣必至。
猫目線で語られることも、こちらをうるっとさせてきました。
【子供を持つイケてるお父さんの特集記事】ぼくと仕事、ぼくと子ども
著者 陰山大祐
【内容】
絵本作家のきくちちき氏ら、30代から40代前半で子どもに関係する仕事をしている父親10人へインタビュー。父親と子どもが、大人と子どもが、一緒に生きてゆく社会を日々の営みの中から考える。
仮フランス装、親子をイメージした2本のしおり(太・細)など、雰囲気のある造本。いつか自分とおなじ齢になった子どもに読んでほしい手紙のような1冊です。
【感想】
★★☆☆☆
おしゃれカフェとかにおいてそうな一冊。
内容も、育児とかそういうものではなくて、子供と仕事について書かれた感じの本です。インタビュー形式で「なんだかイケてるお父さん」が語ってます。
特にタメになる本でもなんでもなく、ファッション誌のイケてる父さん特集とかにありそうな感じですね。
ただ、おしゃれな感じ。
若い「イケてる」お父さんがかっこつけて読むのにいいんじゃないでしょうか。
【異様な雰囲気】Q&A
著者 小林大輝
【内容】
刑事のKと鑑識のGが発見したのは、死体のそばに残された、犯人と被害者が交互に問いかけあうノート。
23歳の新鋭が問う、法では裁けない哀しき犯罪テレビ朝日でドラマ化決定!
人生で初めて出来た親友が、自ら命を絶った。親友の父を殺して逃避行を続ける僕は、やがて惨殺死体で見つかる。残酷な世界で生きる決意をした少年がたった一人の大切な存在と巡り会い、手に入れたものは何だったのか?Web小説界の常識を打ち破る「ピクシブ文芸大賞」大賞受賞作!
【感想】
★★☆☆☆
海外ドラマを吹き替え版にした感じの語り口。こういう文章は私はあんまり好きじゃない感じです。
名前がほとんど出てこない不気味さ。全く抵抗した後のない遺体のそばに、日揮が残されていて、そこに問答。どうやらQという人物とAという人物がそれぞれ質問をして答えている。主人公Qは教会に捨てられていた孤児で、背の高さから9と呼ばれていた。ほかの孤児もみんな、教会につけられた名前ではなく、数字で呼びあっていた。
そこからQの人生についていろいろ語られていくのを、刑事KとGが読んでいく。
ミステリとしてはそんなに面白くもなかったけれど、なんだか哲学的で、異様な感じがしました。
これはどうやら日本人ドラマとして映像化されるそうですが、一体どんな感じになるんだろう。うーん、正直そんなに見たいとも思わないかな・・・・。