【猫について学べるが写真は凶悪】ネコもよう図鑑
著者 浅羽宏
【内容】
ほっこり写真をながめながら、遺伝のしくみがわかる、ひと味違ったサイエンス図鑑.
ネコの模様(毛色)はいろいろありますが、遺伝の働きにしたがってパターン分けできます。そのパターンを写真で紹介し、その模様を決める遺伝子がわかるようにしました.遺伝子といっても難しいレベルではなく,「このネコはあの模様だからこの遺伝子か」というように、ネコのもう一つの見方を提供してくれます。
この本を読んだ後は、街で出会うネコたちがいつもと違って見えてきます!
【感想】
★★★★☆
ネコの模様に特化された本。メンデルとか遺伝とか久しぶりに見た。
私が言いたいのは一つ。「なんでもっとかわいい猫の写真使わなかった・・・?」
なんかちょっと微妙に不細工な、中には凶悪な顔の猫の写真が・・・・。
ネコの模様について学びつつかわいい猫の写真を見て癒されたい・・・と思ったのにまさかのこの写真のチョイス!
全然癒されない。
ニャンで?ニャンで?もっとかわいい写真あっただろうに!
ネコの骨格標本は見てちょっとびっくりしました。頭とかこういう風になってるんだ!
ネコについて詳しく学べますが全く写真ではほっこりできませんでした(笑)
【神は何もせず、ただ沈黙するのみ】沈黙
著者 遠藤周作
【内容】
「転びキリシタン」もまた、「神の子」なのか?
カトリック作家が描く、キリスト教文学の最高峰。
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。
神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。
【感想】
★★★★★
映画「Silence」を観てとても感銘を受けた作品。
今まで歴史系の小説は苦手としていたが、この作品を観てから本を読むまでに自分なりに色々「隠れキリシタン」や「フランシスコザビエルが日本にやってきてからルターの宗教改革が起こるあたり」そして「日本でキリスト教が禁止される」ことについて勉強した。
歴史の時間、隠れキリシタン、日本でキリスト教が禁止になったところについては中学の時にさらっとやったりルターの宗教改革については高校の時に世界史で習ったりしたけれど、今またこのあたりに絞って勉強をするとすべての知識がつながり大変わかりやすくなった。ということで教えている高校生クラスでこのあたりについて授業をしたりもした。彼らもカトリックの知識などはあってもなかなか日本の宗教観やどのような変遷をたどっていって今のような宗教観になっているのかはわからないと思うけれど、また大人になってふと学びなおした時に私のように「目からウロコ」状態になるような経験になったらいいなと思う。
さて、「沈黙」だが、思ったよりだいぶ読みやすかった。映画を観ていたからかもしれないが、文章も思ったほど堅苦しくはなく、すらすら読めた。
そして隠れキリシタンが拷問をうける場面などは読んでいて辛かった。
でも、イノウエの言っていることも、フェレイラが言った日本の宗教観についても、私は納得してしまった。それだけ日本という国は宗教が独特で、よく聞かれたりするけれど実際に一言で説明なんて絶対に不可能だ。
神は何もせず、ただ沈黙するのみ。とても残酷で美しい表現だと思った。
キチジローの弱さも理解できた。実際に私だったらキチジローのように裏切ったりするし絵も踏むしそれでも救いを求めてしまうだろう。
映画の方もとてもよかった。読書が苦手な人は映画をおすすめします。
【多様性を考える本】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
著者 ブレイディみかこ
【内容】
イギリス南部の都市ブライトンで生まれ育った中学1年生のぼく。パンクな母ちゃんとダンプの運転手の 父ちゃんの間に生まれた一人息子で、「いい歳をして反抗的でいい加減な」母親とは違い、 学校ランク第1位の公立小学校で生徒会長をしていたような「いい子」。しかし、 ぼくはちょっと変わった「元・底辺中学校」に進学することにした!
超美少年なのにレイシストのダニエルや、こわーい兄貴がいるけど心優しいティム。 ただでさえ思春期ってヤツなのに、「ワケあり」だらけの中学校では、 家庭環境とか、性別の違いとか、ときには両親の肌の色をきっかけに、毎日が事件の連続。
それでも、ぼくたちは大人たちの常識を軽く飛び越えて、 子どもなりのやり方でそれを乗り越えていく。
【感想】
★★★★★
日本はあまりと思うかもしれませんが、それでもコンビニの店員さんがほぼ外国人だったり、学校現場でも日本語がわからない外国人親の子供が増えているようです。その場合子供が通訳になるそうですが。
私もこのブライトンのようにいろいろな民族、セクシュアリティ、宗教など多様性のある地方都市に住んでいるので他人事ではないです。
ただ、やっぱり私たちは「なるべくリッチなエリア、白人が多く、あまり移民が多くないエリア」に住もうとしますが。自分も移民なのにね。
多様性を否定するわけではないですが、やはり「シテ」なんて呼ばれる公団アパートの並ぶ治安の悪い地域は昼間から道にドラッグの売人が立っていたり、夜歩いてたら銃で撃たれて死ぬ人もいたり、レイプや盗みや放火もあったり凶悪な犯罪が多いのも事実。
しかも、凶悪すぎるからそういった犯罪が起こっても警察が来てくれないということもあるそうなのでやはりそういった地域には住みたくはないですね・・・。
移民が多く集まる学校だと、やはり宗教によっては「けじらみ(こっちでは年中流行ってる)をシャンプーや薬で殺すのは宗教上許されない行為なのでそのまま頭は洗わない」なんて子もいます。非常に大迷惑ですが、実際問題欧州であまり帽子などを試着しない方がいいと思います。なかなか話が通じない人多いです。どこの国の人でも、高等教育受けていても、なんならPh.D持っている人でも。大人になって日本人でも外国人でも、常識が通じない人がたくさんいるなと感じました。でも「常識」っていうのはそもそも大多数の人の意見なので、だんだん変わっていくのかもしれません。
【大人の恋愛小説】よるのふくらみ
著者 窪美澄
【内容】
私のからっぽに栓をしてほしかった。
幼なじみの兄弟に愛される一人の女、もどかしい三角関係の行方は。熱を孕んだ身体と断ち切れない想いが溶け合う究極の恋愛小説。
同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。みひろに惹かれている弟の裕太は、二人がうまくいっていないことに感づいていたが――。抑えきれない衝動、忘れられない記憶、断ち切れない恋情。交錯する三人の想いと、熱を孕んだ欲望とが溶け合う、究極の恋愛小説。
【感想】
★★★★☆
この何とも言えないもどかしい気持ちにさせるのが上手だなあと思わせる作者さんです。彼女の作品は『ふがいない僕は空を見た』を持っていますがこれもすごく好きで、何とも言えない気持ちにさせてくれます。
特にものすごく読後感がいいとかそういう感じじゃなくいやらしさや気持ち悪さもあるんですがとてもよかったです。
【ノリで書いてるだろ!】死亡フラグが立ちました!
著者 七尾与志
【内容】
『このミス』編集部が驚愕した話題作! “死神”と呼ばれる暗殺者のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される——。
特ダネを狙うライター・陣内は、ある組長の死が、実は“死神”によるものだと聞く。事故として処理された組長の死を調べるうちに、他殺の可能性に気づく陣内。凶器はなんと……バナナの皮!?
【死亡フラグ】とは、漫画などで登場人物の死を予感させる伏線のこと。キャラクターがそれらの言動をとることを「死亡フラグが立つ」という。
【感想】
★★★☆☆
このミス大賞隠し玉のはっきり言ってB級ミステリーだけどテンポがよく気軽に読めました。
死亡フラグが経ってとても分かりやすいし、この著者ノリで書いてるな、すごく楽しそうだなということがこっちに伝わってくる作品でした。
気軽に読めて面白かったです。
死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)
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死亡フラグが立ちました! ~カレーde人類滅亡!? 殺人事件 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
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【イケメンスペイン人の写真が欲しかった!】サハラ砂漠の王子さま
著者 たかのてるこ
【内容】
ヨーロッパを駆け抜け、サハラ砂漠を目指してアフリカへ。しかし、憧れのイスラムの国モロッコへ足を踏み入れた途端、次々と襲いかかってくる髭面の男たち!思わぬ貞操の危機に「女はつらいよ…」と呟きつつも、今度は砂漠を徒歩で突き進む!!過酷な大自然で絶対絶命の危機を救ってくれたのは!?痛快ハチャメチャ紀行エッセイ第二弾。
【感想】
★★★☆☆
ヨーロッパからアフリカへ。
この人の旅は本当に不安でいっぱい。行き当たりばったり過ぎてちょっとついていけない考えられないところも多いです。
最後、サハラ砂漠を徒歩でキャンプしたときに一緒に行ったスペイン人。キアヌリーブスをさらにイケメンにした顔とかもう必死で写真探しました。載せてくれ!めっちゃ見たいわそんなイケメン!
体操危険な目にあいながらも無事に生還しますが、ほんとこの人ちゃんと考えて行動しなよって結構イラっとします。
【表紙の矢を射る姿に惹かれてしまう】黄金の烏
著者 阿部智里
【内容】
史上最年少で松本清張賞を受賞した著者による、異世界ファンタジー第三弾。
八咫烏が支配する世界「山内」を舞台に、世継の花嫁の座を巡る姫君たちの駆け引きと、その家族の権力闘争を描いた『烏に単は似合わない』は、選考会でも大きな話題となり、史上最年少で松本清張賞を受賞。翌年、受賞作と対になる『烏は主を選ばない』を発表。その後、八咫烏シリーズとして『黄金の烏』『空棺の烏』と、緻密な世界設定を展開し、そこに生きる者たちの微妙で繊細な心理を描き続け、人気を博す。
八咫烏シリーズは現在、文庫版累計66万部。
一作ごとに大きな成長を遂げる筆者の繰り広げる壮大な物語の行方から目が離せないシリーズです。
【感想】
★★★★★
巻を追うごとに目が離せなくなるシリーズ。まだ3巻までしか持ってませんが、絶対シリーズ最後まで買い続ける予定です。面白い!
今回も若宮と雪哉の物語。
最初の若宮の登場シーンはとてもよかったです。若宮様らしい。
この巻はなんか人食いゴリラが出てきてグロいシーンも出てきたり、人間の存在も明らかになったりしてこれからどうなっていくのかがとても楽しみでたまりません!
早く次の巻が読みたい!
1、2巻はこれを二つ読んで完成版といったところでした。すごく良かったです!