【隣人は地球人?宇宙人?】隣人x
著者 パリュスあや子
【内容】
第14回小説現代長編新人賞受賞作!
派遣社員の紗央、アルバイトを掛け持ちする良子、ベトナム人留学生のリエン。彼女たちは皆、“人と違う自分”を出せずに居心地の悪さを抱えていた。そんな折、地球外生命体の労働力が期待され、惑星難民を受け入れる法案が可決。奇妙な糸で結ばれた三人が、それぞれ選んだ道とは――
【感想】
★★★☆☆
惑星難民と書かれていたのでSFチックな話かと思っていたら割と地に足のついた作品でした。
コンビニで働く良子、派遣として名の知れた会社で働く紗央、そしてベトナム人留学生のリエン目線から見る日常の話。しかしところどころに惑星難民のニュースが流れ、日常の中に少しだけ非日常が落とされていく。
割と淡々とした文章でとても大きな波がくるわけでもないけれど、惑星難民のおかげで少しだけ日常生活が新鮮に思えるようなそんな感じの作品でした。
日本人と外国人、正社員と派遣など、ステータスによってつくられている壁について書かれているのがリアルで考えさせられました。宇宙人がここに入ったら地球人vs宇宙人の壁になるのかな。