【幅広い年齢層におすすめの児童書】キャンドル
著者 村上雅郁
【内容】
第49回児童文芸新人賞受賞後第1作
冷たく凪いでいたぼくの心にゆれる小さくてもたしかな炎
小1のとき、母を亡くして以来、この世にはどうしようもないことがある、と理解してしまった螢一。小6の2学期も終わるころ、螢一を突然おそったある子の記憶。しだいに明らかになる記憶の主、花が瑛を傷つけた出来事。親友の翔真と現実の花をさがすうちに、螢一は翔真を傷つけてきたことに気づく。冷たく凪いでいた螢一の心に小さくてもたしかな火がともり……。
螢一と翔真、花と瑛が織りなす、熱く切ない絆の物語。
【感想】
★★★★★
こういう児童文学、私も小中学生の時に読めていたらいろいろなものの価値観や考え方が変わったんじゃないかなと思います。
翔真はいつも女の子のようなかわいい服を着ている主人公・螢一の友人。
まずいきなりその設定に驚かされましたが、螢一の翔真に対する印象というか、思いを知って自分が恥ずかしくなりました。それでも螢一はやはり「大人になるという子とは諦めること」ということを言ってしまい翔真を傷つけてはしまうのですが。でも「大人になるという子とは諦めること」というのは本当に今でも私はそんな風に思っていたりするので、この本を読みながらいろんなことを考えさせられました。
児童書の枠にとらわれず、小学生から幅広くの年齢層におすすめしたい作品です。