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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【ほっこりする神様のお話】すべての神様の十月

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著者 小路幸也

【内容】

帆奈がバーで隣り合ったイケメンは、死神だった!? 死神は、これまでに幸せを感じたことがないらしい。なぜなら幸せを感じた瞬間……(「幸せな死神」)。貧乏神に取り憑かれていた雅人。そうとは知らず、彼は冴えない自分の人生を〝小吉人生″と呼び、楽しんでいたのだが……(「貧乏神の災難」)。人生の大切なものを見失った人間の前に現れる神々たち。その意外な目的とは? 優しさとせつなさが胸を打つ連作短篇集。

 

【感想】

★★★★★

短編集なので時間がないときも少しずつ読むことができるし、どのお話も読後感がよいです。

死神、貧乏神、疫病神などできれば近寄りたくない、近くにいてほしくない神様のお話もありますが、どれもほっこり。

私は中でも疫病神と九十九神のお話がとても好きでした。

 

叔父さんはイケメン小児科医で、お母さんたちから追い掛け回されないためにいつも冷たく事務的にお母さんたちと接している。ある日、診察室で和服美人を見かけ、叔父さんは今まで他の看護師さんには見えたことがないのに姪っ子は見えるのかとびっくり。ある日その和服美人に話しかけてみると・・・というお話。

とてもよいお話でした。

 

そして九十九神様のお釜さんのお話。

炊飯器がある今、お釜でご飯を炊くことなんてなかなかないけれど、ずっと家でわざわざ使ってきて、社会人になって一人暮らしするときにわざわざ連れてきたお釜。お釜さんとの会話もほっこりだけどその後の展開がとてもよかったです!!感動。

 

どのお話も読後感がよく、楽しめました。

 

すべての神様の十月 (PHP文芸文庫)

すべての神様の十月 (PHP文芸文庫)

  • 作者:小路 幸也
  • 発売日: 2017/09/12
  • メディア: 文庫
 

 

【昔ドラマでやった密室ミステリ】硝子のハンマー

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著者 貴志祐介

【内容】

日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて……。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。

 

【感想】

★★★★☆

昔「鍵のかかった部屋」というタイトルで嵐の大野くんが主演でドラマをやってました。好きだったんですよね、このドラマ。文章で読んでも大野くん、役にハマっているなあと思います。

 

さて、密室殺人。殺されたのは介護猿や介護ロボットなどで介護現場を楽にしようと考えていた介護サービス会社の社長。密室で撲殺。第一発見者はガラス清掃の男性。

隣の部屋で寝ていた専務が逮捕されたものの身に覚えがない。

かなりセキュリティに厳しかったようで、エレベーターも暗証番号を入れないと12階まで上がれない、廊下にもカメラ、窓は一度空気銃で銃撃を受けて強化ガラスになっている。

 

この殺人事件、凶器はタイトルの通り「硝子のハンマー」だったわけですが、最後なるほど、そうやって・・・・と感心しました。

 

それにしても泥棒にはいられないためのセキュリティなど。いろいろと役に立つチップも書いてあり、なるほど!と思わせてくれるお話でした。

 

 

【残された時間をどう生きるか】余命10年

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著者 小坂流加

【内容】

第6回静岡書店大賞 映像化したい文庫部門 大賞受賞作
20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。涙よりせつないラブストーリー。

 

【感想】

★★★★★

20歳からの10年というのは人生で一番輝いているときだと思う。

その10年を余命を気にしながら過ごさなければいけない茉莉。

 

趣味を楽しみ、恋に落ち、そして死ぬ準備をする。

余命を言われたときに同じ病気で亡くなった女性を知っていて、残された家族の気持ちなどを知っているので自分は結婚できないなと思う茉莉。

確かに20歳で「10年以上生きた者はいない」と言われたら新たに大切な人を作るなんて難しいと思う。

 

それでも恋に落ちてしまった。相手は昔の同級生。

いつかは別れなきゃと思いながら、同級生の境遇などで背中を押す茉莉。

別れの瞬間はとても辛く、でも「死ぬ準備ができた」という茉莉。彼女の気持ちは彼女にしかわからないが、とても辛かった。

 

ボロボロ泣いた。そして著者さんもこの本を書き上げた後亡くなったとか。

文中で茉莉の病名は明かされていませんが、著者さんも肺動脈性肺高血圧症(原発性肺高血圧症)という病気で亡くなっているので、おそらくこれだと思います。

彼女の自己投影も入っていたのではないでしょうか。大号泣でした。

 

ところでブラックフライデーでKndle unlimited が3か月なんと99円!もちろん入るよね。でも少し本を探すのが探しにくいなあと思った。3か月後続けるかどうか、うーんこのかんじだと解約かな。小説もパッと目を引くようないいものがたくさんあるわけではない。マンガも1巻だけとか。あとラノベはたくさん。小説を人気順に探してもやたら出てくる官能小説・・・。なので専らコミックエッセイやファッション、料理、お片付けインテリアなどの実用書を読んでいます。

こういった本はまず自分で買わないのでそれに関してはいいなと思う。でもこれに1か月980円は出さないかな。雑誌は楽天マガジン取ってるし・・・という感じでした。

ラノベ好きにはおすすめかもしれません。たくさんあるので。

 

 

余命10年 (文芸社文庫NEO)

余命10年 (文芸社文庫NEO)

 

 

 

 

 

【素敵な結婚式に参加したかのような感動】末ながく、お幸せに

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著者 あさのあつこ

【内容】

相手に幸せにしてもらうのではなく、相手を幸せにするのではなく、自分の幸せを自分で作り上げる。それができる者同士が結び合うこと。それが結婚というものだろう。私たち、本物の夫婦になれるかな?もらい泣き必至の結婚式小説!

 

【感想】

★★★★★

まるで素敵な結婚式に出席したような感覚で、とてもよかった。

結婚する萌恵は友人や元上司、そして従兄弟からするととても人のことがわかる素晴らしい人。それは彼らのスピーチによって印象付けられていく。

 

すばらしい人柄な萌恵だけれど、実は家族との関係が少し複雑だった。

実は母親としている女性は彼女の叔母。でも実の母も出席している。

 

母とそして産みの母親との関係でまた彼女の人となりの印象が変わったけれど、是非これから幸せになってほしいと思った。

 

とても暖かな感動を得られるお話でした。

 

解説の松井玲奈さん、こんなにきちんと文章が書ける人なんだなと感心した。

 

末ながく、お幸せに (小学館文庫)

末ながく、お幸せに (小学館文庫)

 

 

 

【幼女を愛でるイケメンを愛でる】氷の侯爵様に甘やかされたいっ! ~シリアス展開しかない幼女に転生してしまった私の奮闘記〜

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著者 もちだもちこ

【内容】

アラサーのラノベ作家・由梨(ゆり)は、気づくと自分が書いたラノベの世界へ転生していた。しかも侯爵家の娘でありながら、不義の子として愛されず、悲壮な最期を遂げる不遇な幼女ユリアーナに――。来たるバッドエンド回避へ向けて、まずは最恐と恐れられる「氷の侯爵様」である父ランベルトの好感度を稼がなければと意気込むものの……「あれ? 私何もしていないのに溺愛されている!?」

その日からユリアーナの甘やかされライフが始まった。ランベルトが手ずからお菓子を食べさせてくれたり、たくましいお膝に抱っこされたり。その上、嫌われるはずの兄から愛され、憎まれるはずの魔法の師匠からもかわいがられ……「一体、何が起こっているの~!?(汗)」

転生美幼女が愛と魔法で無双する、ほのぼのお屋敷ファンタジー

 

【感想】

★★★★☆

氷のように冷たく無表情の血のつながらない父親&同じく無表情の兄にでろでろに甘やかされる幼女の話。


転生モノでまた令嬢系ですが、主人公幼女なので、王子様と恋に落ちる系というより、愛でられる系でした。

でも読んでいてただご褒美としか思えないような感じでした。


ラノベにもいろんなジャンルがあるんだなあと感心。


表紙絵を見たらえらくイケメン。でもなかなかこのイケメンを思い描きながら読むの難しい。

そういうののために挿絵というご褒美があるんだなあと納得しました。

 

 

 

 

【「負け犬」のその後】ガラスの50代

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著者 酒井順子

【内容】

『負け犬の遠吠え』『子の無い人生』『駄目な世代』ーー著者のライフステージエッセイ、最新版。「令和の50代」のリアルがここに!

精神的にはやっと成人式
グレイヘアをきらめかせ 
好きに生き始めるお年頃 
なのに職場では怖がられ 
恋の8050問題を抱え 
母親はさらに重さを増す 

「令和の50代」のリアルがここに!
Webマガジン「ミモレ」大反響連載、単行本化 

巻末に50代大アンケート結果を収録 
「誰にも言えない秘密を教えてください」 
「今、悩んでいることを教えてください」 
「50代までにしておいてよかったと思うことを教えてください」 
「50代になったらやめた方がよいと思うことを教えてください」
「50代にできるようになったことを教えてください」 
「50代で嫌いになったことを教えてください」 
ほか 

 

【感想】

★★★★☆

「負け犬」のその後と書くとあれですが、前に話題になった『負け犬の遠吠え』の著者さんの新しいエッセイです。

 

『負け犬の遠吠え』の時はこの方35歳だったんですね。
現在50代。パートナーはいるようですが独身のようですね。


子どもがいない、もちろん孫もできない50代。
こういった人はこれから増えると思うし今も結構いるんだと思う。


腐乱死体にならないように死に方を考える。

おひとりさまが安心して死ねるような社会に、なっていくといいなあと思います。

 

私よりも年上の世代なので、共感というよりは、これからどうにかしていかなければ不安!という感じでした。

 

 

ガラスの50代

ガラスの50代

 

 

【最後まで読むと面白い】完全犯罪の恋

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著者 田中慎弥

 

【内容】