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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【容姿に悩む女性へとっておきの御呪い】うるはしみにくし あなたのともだち

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著者 澤村伊智

【内容】

エンタメ界注目の気鋭が描く学園ホラーミステリー

 

 四ツ角高校に伝わる「ユアフレンド」のおまじない。

そのノートを受け取った者は、クラスの生徒の見た目を醜く(あるいは美しく)することができる。 

 三年二組の一番の美女で、「一番上の」グループに属する羽村更沙が自殺した。葬儀では両親が頑なに顔を見せることを拒んだ。噂では顔を老婆のように皺くちゃにされたらしい。

  その後、三年二組では、女子だけが周囲の目のある場でつぎつぎに顔を醜く、傷つけられていく。 

 担任の舞香は「ユアフレンド」の存在を知り、誰かがおまじないを継承したと考えざるを得なくなる。同僚やクラスのメンバーと一緒に犯人を捜しはじめるが……。

 犯人に踊らされる者、被害者を面白がる者、おびえる者。おまじないの力を持った者は誰なのか、その真意は――!? 

 

結末の予想は、二度三度裏切られる!

 

【感想】

★★★★★

怖かったです。そして面白かったです。

『ぼぎわんが、来る』も話題になった作家さんなので、是非それも買って読んでみたいと思いました。

 

美人な女生徒が次々に醜くなってしまうという呪い。

しかも醜くなる様がすごく酷い。怖いもの見たさというか、容姿についてあれこれ第三者が言うのは失礼だけれど、ちょっと見てみたいという思いもある。悪気はないんだけれど。そのへんをうまくついた作品でした。


十代で、しかもスクールカーストがあって、容姿というものはとても女子には影響する。
高校生なんて、容姿に気を遣い始めた年代で、容姿が今イチな人は開き直ってあっけらかんとする希美(おデブ)のように過ごすか、なるべく目立たないように過ごすかで、なかなかスクールカーストの上位には立てない。

 

綺麗な人は醜く、醜い人は綺麗になれるというおまじないの本が来たら、私はどうするだろうか。ちなみに自分には効かない。

呪いの様もとても面白かったです。そのユアフレンドという雑誌がどこから来たのかについては謎だけれど、呪いについては割と現実的で、とてもよかった。


そしてだれが呪いをかけているか、ミステリーとして読んでもとても面白かったです。しっかり騙されました。桂と同じ推理をしてました。

 

うるはしみにくし あなたのともだち

うるはしみにくし あなたのともだち

 

 

 

【夫だけでなくいろんな人に有効】 夫を変える!魔法の言い方

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著者 佐藤律子 

【内容】

「夫婦の会話が少ない…」「夫とすれ違いがち…」妻たちの悩みを救済する、夫婦円満のための会話術。

 

【感想】

★★★★☆

結婚して10年目を超えましたが、この本を読んで思ったことは「うちの夫、人間ができている」。

 

ご飯を食べたら「美味しかった。ありがとう。」と言ってくれたり、現在食洗器がないので率先して食器を洗ってくれたり、いつも感謝の気持ちを伝えてくれたり、お願い事も嫌な顔することなく聞いてくれる。ほんの小さな会話でもきちんと覚えててくれる(私はわりと流す)ほんとできた夫だ。

 

なので、私も自然にこの伝え方ができている気がする。

もちろんそうでないこともあるので、もうちょっと頑張ろうと思うけれど。

 

この本での伝え方、というか言い方はわりと子供にも、同僚にも、友達にも使えると思う。お互いに気持ちよくコミュニケーションするためにはこういう心構えで行かないとなと思う。

 

 

夫を変える! 魔法の言い方

夫を変える! 魔法の言い方

  • 作者:佐藤 律子
  • 発売日: 2020/09/27
  • メディア: 単行本
 

 

【他人にどこまでしてあげることができるのか】展望塔のラプンツェル

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著者  宇佐美まこと 

【内容】

【新時代の虚無】破局

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著者 遠野遥

【内容】

私を阻むものは、私自身にほかならない。ラグビー、筋トレ、恋とセックス―ふたりの女を行き来するいびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。第163回芥川賞受賞。

 

【感想】

★★★★☆

今年の芥川賞です。

読んでみて最初に思ったのは、この遠野遥さん、変わった人だなあ。

 

帯に書いてあった「28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。」が本当にぴったりなお話でした。どんなお話かというと、なかなか説明するのが難しい。

なぜならば、本筋よりも彼の行動や思ったことにいちいち目がいくから。

 

半分くらい本筋に関係なさそうな描写が出てきます。

それはそれで面白いし、この人の本はほかに読んだことがないのでいつもこんな感じかはわからないのですが、この主人公の描写や考えが散らばっていることで、「なんか今どきの人ってこんな感じなのかな」って思ったりしました。

 

最初にひっかかったのはチワワの描写。チワワが主人公・陽介のこと見てるんですがほんとこの辺読んでたらもう頭の中はチワワでいっぱい。なんの関係もないのに。

 

その次に出てくるのが、「膝」なにこれ、膝?ヒザ?と思っているとどうやら友人で「ライブ見に来て」と誘ってくるんですが、どうやら音楽ではなくお笑いのライブで。終盤になってくると慣れるけど膝っていう苗字、めっちゃ変わってない?もう苗字にしか目がいかないよ!

 

わりと楽しみながら読むんですけどね。突っ込みながら。

 

帯の後ろ側には本文が引用されていますが

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けっこうずっとこんな感じ。

昭和の人間ならズコーってなりそうな感じ。

ちなみにこれ、割と最初の方にでてくる文ですが、朝起きてテレビつけたら巡査部長が元交際相手の家に不法侵入して下着を盗んで逮捕されたというニュースがあって

私は突然、他人のために祈りたくなった。

ってなって祈るんですね。最後ズコってなるけど。ならないよ!こんな気持ちに!このニュースで!めっちゃ不思議。

 

結構パワーワードとか、パワーセンテンスありました。本文にあまり関係ないとこがぐいぐい来ます。

 

 

さて、タイトル通り本筋は「破局」に進んでいくのですが、最後はえええって感じでした。

 

陽介、今までの描写で「虚無」とか「無気力」的なイメージがあって、でもラグビーや肉、自慰に関してはわりと熱心で。セックスに関しても、最後の方はちょっと灯ちゃんの性欲についていけない感もあったので、最後の展開は予想していませんでした。もっとあっさり「破局」を迎えるんだと思ってました。

 

でも、この本筋と関係ない描写、割と私は好きですね。ほんと最初は膝って名前が出るたびにちょっと面白かった。自慰の描写めっちゃ詳しいくせにワンピースの描写雑!とか、めっちゃ陽介っぽい。でもきっと世間の男性こんな感じに思ってるんだろうなって思いました。

 

彼のもう一冊の『改良』を読んで比べてみたいなと思いました。

 

 

破局

破局

 
改良

改良

 

 

【コナンよりも控えめな少年探偵】僕の神さま

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著者 芦沢央

【内容】

【コロナ禍で暗い気持ちが吹っ飛ぶ本】『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』

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著者 朝井リョウ

 

朝井リョウが好きだ。

小説もほぼ全部持っている。ほぼというのは、紙の本で集めているため、日本に帰国したときや日本から何か送ってもらう時じゃないと買えないから、新しい本はなかなかすぐには買えない。kindleなどで買う本もあるけれど、それはマンガやライト文芸ばかり。やっぱり紙の本で読みたいし本棚に並べたい。

 

コロナ禍で最近暗いニュースが続いている。

なので最近は明るい本ばかりを読んでいる。じゃないと気分まで鬱になるから。

朝井リョウの小説はわりと刺さることも多いので好きだけど今読むのは気分じゃない。チア男子とかならいいかも。チア男子も映画見てみたい。Netflixに出てくればいいのに。

 

というわけで久々に読みました。朝井リョウのエッセイ。

このエッセイ二つとも大好きすぎて、実は教材として使ったこともあります。面白いしね。本を読む人たちがなかなか少数になってきたので、こういった面白いものからでもいいので読書人口が増えればいいなと思っています。

 

昨日はずっとゆとりぬのほうの「肛門記」を読んでいました。痔瘻の手術について書かれていますがフォントから工夫されていてとても面白い。何回も読んだんだけどやっぱり笑ってしまう。

 

本を読みながら、私も最近の人みたいに検索をすることもちらほら。このエッセイを読んで朝井リョウが踊っている動画(ツイッターにあった)にたどり着きました。思ったよりかなり上手だった。

服の話とか、雑誌の撮影の話では、どんなんだとか思いながら検索したり。

 

あとは自分の経験と照らし合わせて本を読みながら空想にふけったりすることもある。

「肛門記」をよみながら自分の欧州入院経験についてふと思ったり。

私潰瘍で入院して胃カメラ飲んだとき、胃カメラ直後にお昼ごはんが出てきたんですがチキンカツ出てきたんですよね。本気?って思って看護師呼んで「本気?」って聞きましたよ。入院前に潰瘍っぽいなって思って胃に優しい食事をとってたんですが、病院でまさか揚げ物出てくるとは思いませんでした。

ちなみに看護師に聞いたところ、その時はチキンカツだけ下げられましたがなんか普通のパンとか、食後にコーヒーとか、日本で潰瘍での入院を検索したところ「重湯から」との記載が目立ったのでちょっとびっくりしました。事前に輸血をしたりしてて、貧血でもあったので血を作らないといけないとは思ったものの、胃に負担すぎじゃない?ちなみにその日の夜からはわりとこってり系でした。食べたけど。

っていうのを入院記読みながら考えたりしてました。

 

このエッセイを呼んでいるとほんとに元気が出る。なんか、適当に生きててもいいんだ!って思える。自分を肯定できる。

 

落ち込んだときに読みたい本です。

 

第三弾のエッセイも出てほしいなー。

 

時をかけるゆとり (文春文庫)

時をかけるゆとり (文春文庫)

 
風と共にゆとりぬ (文春文庫)

風と共にゆとりぬ (文春文庫)

 

 

【麗しき韓流ファンタジー】宮廷神官物語

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著者 榎田ユウリ

 

【内容】

古き良き伝統の国、麗虎国。美貌の宮廷神官・鶏冠は、王命を受け、「奇跡の少年」を探している。しかし候補の天青はとんでもない悪ガキ。この子が?と疑う鶏冠だが、その晩、天青ともども命を狙われ……。
※本書は、二〇〇七年十月、小社より刊行された角川ビーンズ文庫『宮廷神官物語 選ばれし瞳の少年』を改題し文庫化したものが底本です。

 

【感想】

★★★★★

11巻ほぼ一気に読みました。

ファンタジーが苦手だった私ですが、十二国記にハマってから中華ファンタジーや韓国系ファンタジーも行けるようになったみたいです。

この作品は韓国系ファンタジー。とはいえ着ているものだったり食べ物とかが韓国っぽい感じで韓国があんまりわからなくても十分ハマれる作品です。

 

この本は元々角川ビーンズ文庫というラノベ的なレーベルだったものを新たに文庫化したみたいですが、大正解!ていうか表紙絵が毎回楽しみでした。表紙絵が本当に素敵すぎる。挿絵もあったらいいのに!!と思いました。

 

物語のメインキャラは美貌の神官・鶏冠(けいかん・時々女装もします)、そして奇跡の慧眼児である天青(てんせい)という田舎育ちの少年、天青と同じ村に住んでいて一緒に都に来た曹鉄(そうてつ)、そして王子様の藍晶(らんしょう)、そして藍晶の姉、櫻嵐(おうらん)で、天青と鶏冠の関係、そして曹鉄と鶏冠の関係、そして櫻嵐と曹鉄の関係がもう尊すぎます。

 

田舎から天青を連れてくる鶏冠ですが、神官書生として勉強する天青は悪ガキでいろんなことをやらかしたり自由にふるまうので鶏冠も困ってしまうんですが、鶏冠の亡くした弟と重なり兄、いや母目線な感じで信じて見守る鶏冠がものすごく好きでした。

 

曹鉄と鶏冠もある騒動でちょっと関係が気まずくなったりするのですが仲直りにお粥食べさせたりしてるんですよ。私は何を見せられているんだろうと思いつつ表紙絵の麗しき二人で想像して楽しみました。なんとこの榎田ユウリさんはどうやらBL作家でもあるようです!なるほど!でもBLとかではないので普通にお楽しみいただけます。BL好きな人はもしかしたら違う楽しみ方をしているのかも?

 

物語のクライマックスあたりでちょっと短編も挟んだりして少し緊張感も薄れ和んだり、バランスの良い物語でした。ハラハラしたり泣けたりとても満足のシリーズです。

 

どうやら続編も出るとのことで今からとても楽しみです。

 

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宮廷神官物語 二 (角川文庫)

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宮廷神官物語 三 (角川文庫)

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宮廷神官物語 四 (角川文庫)

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宮廷神官物語 五 (角川文庫)

宮廷神官物語 五 (角川文庫)

 
宮廷神官物語 九 (角川文庫)

宮廷神官物語 九 (角川文庫)