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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【本の厚みを感じさせないノンストップ読書】犯罪者

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著者 太田愛

【内容】

白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺されなければならないのか。はみだし刑事・相馬によって命を救われた修司は、相馬の友人で博覧強記の男・鑓水と3人で、暗殺者に追われながら事件の真相を追う。

 

【感想】

女の子に呼び出されてウキウキで出かけたら通り魔にあった!なんていういきなり恐ろしい目に合うところから物語はスタート。

しかも病院で手当てをしてもらっていたら謎の男に「あと10日間逃げきれ」なんて言われる。なぜか急に暗殺者に狙われる修司と、彼をかくまうはみ出し刑事・相馬と相馬の友人・鑓水と逃げながらも事件の真相を追っていく。読んでいくうちにパズルのピースがそろっていき、ハラハラドキドキが止まらない。

 

・目撃者

・暗殺者

・協力者

・隠ぺい工作

内部告発

・ベビーフード

・謎のメルトフェイス症候群

 

が複雑に絡み合い、しかもなかなか一筋縄ではいかない展開!

 

ページをめくる手が止まらず飲食も忘れてしまう。

最後の最後まで目が離せないストーリー展開で、とても面白かったです。

 

以前『幻夏』を買ったのですが、もう一度読み返してみようと思います。こちらは相馬さんの話で、もう一つ文庫にはなってませんが『天上の葦』は鑓水さんの話ということで絶対読みたいと思います。

 

犯罪者 上 (角川文庫)

犯罪者 上 (角川文庫)

 
犯罪者 下 (角川文庫)

犯罪者 下 (角川文庫)

 

 

 

幻夏 (角川文庫)

幻夏 (角川文庫)

 

 

 

天上の葦 上

天上の葦 上

 
天上の葦 下

天上の葦 下

 

 

【樹木希林の生き方】一切なりゆき~樹木希林のことば~

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著者 樹木希林

【内容】

2018年9月15日、女優の樹木希林さんが永眠されました。樹木さんを回顧するときに思い出すことは人それぞれです。古くは、テレビドラマ『寺内貫太郎一家』で「ジュリー~」と身悶えるお婆ちゃんの暴れっぷりや、連続テレビ小説『はね駒』で演じた貞女のような母親役、「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに……」というテレビCMでのとぼけた姿もいまだに強く印象に残っています。近年では、『わが母の記』や『万引き家族』などで見せた融通無碍な演技は、瞠目に値するものでした。まさに平成の名女優と言えるでしょう。
樹木さんは活字において、数多くのことばを遺しました。語り口は平明で、いつもユーモアを添えることを忘れないのですが、じつはとても深い。彼女の語ることが説得力をもって私たちに迫ってくるのは、浮いたような借り物は一つもないからで、それぞれのことばが樹木さんの生き方そのものであったからではないでしょうか。本人は意識しなくとも、警句や名言の山を築いているのです。
それは希林流生き方のエッセンスでもあります。表紙に使用したなんとも心が和むお顔写真とともに、噛むほどに心に沁みる樹木さんのことばを玩味していただければ幸いです。

 

【感想】

★★★★★

いわずと知れた名女優、樹木希林さんのお言葉集。

色々な雑誌などのインタビューから切り取られた希林さんの言葉はしっかりとしていて、深いものばかり。

物を持たないとか、不動産を持つなどお金の管理の仕方などは売れている女優さんとは思えないほど堅実なものであり、旦那様との関係も、どっしりと構えている、そんな感じでした。

なかなか真似できないですが、堅実な部分は是非取り入れたいなと思います。

娘の也哉子さんについてはきっと若いころかなり苦労されたなと思いますが、現在は素敵な旦那様と子供たちに恵まれており、この母、この父によりかなりしっかりとした女性であることがわかります。

ところどころに写真があり、家族写真もあるんですが皆さんとてもいい笑顔で、

これはこれで素敵な家族なんだなあと思いました。

とてもためになる本でした。

 

一切なりゆき 樹木希林のことば (文春新書)
 

 

 

 

【夫婦で殺し合い】昨夜は殺れたかも

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著者 藤石波矢/辻堂ゆめ 

【内容】

今日も二人で殺し愛。
新進気鋭の著者二人が、夫役・妻役、二人の視点を交互にかき分ける!? 
愛とトリックの殺しあう夫婦の物語!


平凡なサラリーマン・藤堂光弘(ふじどう・みつひろ)。
夫を愛する専業主婦・藤堂咲奈(ふじどう・さきな)。
二人は誰もが羨む幸せな夫婦……のはずだった。あの日までは。
光弘は気づいてしまった。妻の不貞に。
咲奈は気づいてしまった。 夫の裏の顔に。
彼らは表面上は仲のいい夫婦の仮面を被ったまま、 互いの殺害計画を練りはじめる。
気鋭の著者二人が夫と妻の視点 を競作する、愛と笑いとトリックに満ちた"殺し愛"の幕が開く!

 

【感想】

★★★★★

藤石さんが夫パート、辻堂さんが妻パートを担当し、それぞれ交替で殺人計画を描いた面白エンタメミステリ。書いてる人も絶対楽しそう!


アンジャッシュのコントさながらの勘違いから、夫婦はお互いに殺し合いをすることになったラブラブ夫婦の光弘と咲奈。二人はそれぞれお互いに隠している秘密があって、それを勘違いしたことで殺し合いが始まった。その秘密というのもまさか!という感じのもので、とても面白い。

まるで映画のMr.&Mrs.スミス!と思って読んでたらしっかり本編の中でも同じツッコミが。


最初の方はわりと「ハイヒールに仕掛けして足を骨折」「ネコの嫌がることをして引っかかれればいい」「夫の分の料理だけ塩分を多くする」などのの地味ーーーな感じの仕掛け、そして最後の方は大掛かりな殺人へ。どんどんヒートアップする仕掛けにこちらもハラハラしながら同時にワクワクが止まらない。


最後まできちんと楽しめる究極のエンタメ小説でした!

 

 

昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)

昨夜は殺れたかも (講談社タイガ)

 

 

【完全犯罪の目的とは】20 誤判対策室

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著者 石川智健

【内容】

見破ってみてください、私の完全犯罪を。
殺人の証明ができなければ、娘の命はない――。
仕掛けられた不可解なゲームに、正義は容易く翻弄される。
絶対絶命の老刑事が己の矜持をかけて臨む、運命の20日間。

7つの「20」が導く禁断の真実。ノンストップ・サスペンスの新定番!


――どうして犯罪者は、自分に繋がる証拠を残すのでしょう?
警視庁を定年退職後、「誤判対策室」――警事、検事、弁護士からなる冤罪調査組織――に再雇用された有馬英治あてに一本の電話が入る。台東区三ノ輪で殺人を犯し、自首してきた紺野真司が証言を一変。容疑を否認し、有馬にしか真実を話さないと主張しているという。勾留中の紺野と対面した有馬は、ひとつのゲームを持ちかけられる。
「私の犯罪を証明し、起訴できなければ、あなたの娘を殺害します」
動揺を隠せない有馬だったが、悲劇へのカウントダウンはすでに始まっていた――。

【感想】

★★★★★

7つの「20」と書かれていましたが、今気づいた!そんなに20にとらわれる必要はないかもしれないけどもう一回読み返そうかな。

 

面白くテンポもよかったのでサクサク読めました。

 

完全犯罪を犯し、自首してきた元裁判官・紺野。

しかしその後犯行を否認。「誤判対策室」に属する有馬にのみしか真実を話さないという。しかもそこで、「私の犯罪を証明し、起訴できなければ、あなたの娘を殺害します」 というゲームを仕掛けられる。

 

完全犯罪を犯したというのになぜ自首したのか

本当に紺野は人を殺したのか。

なぜ有馬にしか真実を話さないのか

謎が深まる中、少しずつ解き明かされていく背景やキーワード。

 

真実が浮き彫りになり、紺野の目的が果たされたとき、何とも言い難い哀しさを覚えた。

 

とても楽しめました。

 

20 誤判対策室 60 誤判対策室

20 誤判対策室 60 誤判対策室

 

 

【親子で読もう、かいけつブック】大人になる前におぼえておきたい こんなときどうする!? かいけつブック

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著者 辰巳渚 

【内容】

【阿部智里の現代劇】発現

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著者 阿部智里

【内容】

八咫烏シリーズの阿部智里が切り拓く新境地
構想3年で辿り着いた 待望の長編小説

平成と昭和、二つの時代で起こった不可解な事件。真相を求めて近づこうとする者たちを嘲笑うかのように謎は深まり続け、次第に彼らの背中をほの暗い闇がひたひたと迫ってくる。運命に導かれるようにしてたどり着いた先は、光明か絶望か――。鬼才・阿部智里の圧倒的な筆力と壮大なスケール感で、ジャンルをクロスして描く渾身作!

 

【感想】

★★★★☆

大好きな八咫烏シリーズの作家さんの現代劇。

ファンタジーだけじゃなくてこういう作品も書かれるんだなとびっくり。なかなか面白かったです。

ホラーな作品で、ある家族に呪いがかかり、はじめは幻覚や妄想などの精神障害化とおもいつつ、しかし母もそれで死に、兄も同じ幻覚を見ているということを受け、謎を解き明かしていく話です。

しかし最後がすこし「え、これで終わりでいいの!」というものだったので、それもまた怖いというか。

 

 

発現

発現

 

 

【ファンタジー苦手でも面白い!】八咫烏シリーズ

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著者 阿部智里

【内容】

八咫烏」の一族が支配する異世界「山内」で、優秀な兄宮が廃嫡され、弟の若宮が日嗣の御子の座に就いた。
世継ぎの后選びを巡り、大貴族が覇を競う宮廷からはじまった和風ファンタジーは、やがて大いなる外敵との戦いへ―。

史上最年少の20歳で松本清張賞デビューした若き才能が煌く、本物の「物語」がここに!(烏に単は似合わない)

 

【感想】

★★★★★

実はファンタジー物は苦手で、児童書とかは割と好きだったんですけど、ハリーポッターもちょっと途中からしんどんくなったみたいな。

でも、でも、この本はそんな私でも夢中になって読んでしまいました。

最後の3巻はもう一気読み。

簡単なあらすじは

1・烏に単は似合わない

これは若宮の妃選びの話です。最初はちょっと少女漫画っぽいというか、なんか女たちのいろいろな思惑なんかが描かれていたんですが最後のどんでん返しで一気に「なにこれ!めっちゃ面白い!」という風になりました。

2・烏は主を選ばない

雪哉が嫌々ながらも若宮に仕える話で、じつはこれ1巻の裏側。若宮がなかなか期先候補たちのところに顔を出さなかったり、その理由などが描かれていました。この2巻はこれでひとくくりという感じです。

3・黄金の烏

ここで物語が急展開し、「大猿」や「人間の死体」のようなものが出てきて、外の世界が気になってきます。大猿たちの正体や目的はいかに。

4・空棺の烏

雪哉が若宮に仕えるという決心をし、そのために色々なことを学ぶ、学園生活をする話。ここで雪哉の後々の仲間になる人たちと出会ったり、一筋縄ではいかない学園生活にわくわくします。ここで雪哉の性格のちょっとブラックな感じが出てきます。

5・玉依姫

ここにきて急に話が変わります。実は著者が高校生の時に書いた「エピソード0」を手直ししたものだそうです。主人公が八咫烏から人間の女の子に。そしてここでだんだんと八咫烏の住む山内とはどこなのか、そして何なのかが出てきます。山神様といけにえの少女のくだりは日本昔話っぽい感じでとっつきやすいです。

5・弥栄の烏

玉依姫の裏側が描かれています。尚だった「なぜ若宮が急に山神様に仕え始めているのか」や「猿との関係、そしてその後」、などが描かれています。若宮の妻の話、そしてその女房の話も相まって盛りだくさんな第一章最終話でした。

 

はあ、本当に読めてよかった!すごく楽しめた和風ファンタジーでした。

外伝もあるそうなので、次回また買います!

 

 

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

 

 

 

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫)

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫)

 

 

 

黄金の烏 八咫烏シリーズ 3 (文春文庫)

黄金の烏 八咫烏シリーズ 3 (文春文庫)

 

 

 

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫)

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫)

 

 

 

玉依姫 八咫烏シリーズ5 (文春文庫)

玉依姫 八咫烏シリーズ5 (文春文庫)

 

 

 

弥栄の烏 (文春文庫)

弥栄の烏 (文春文庫)

 

 

 

烏百花 蛍の章 八咫烏外伝

烏百花 蛍の章 八咫烏外伝