【ほっこりする神様のお話】すべての神様の十月
著者 小路幸也
【内容】
帆奈がバーで隣り合ったイケメンは、死神だった!? 死神は、これまでに幸せを感じたことがないらしい。なぜなら幸せを感じた瞬間……(「幸せな死神」)。貧乏神に取り憑かれていた雅人。そうとは知らず、彼は冴えない自分の人生を〝小吉人生″と呼び、楽しんでいたのだが……(「貧乏神の災難」)。人生の大切なものを見失った人間の前に現れる神々たち。その意外な目的とは? 優しさとせつなさが胸を打つ連作短篇集。
【感想】
★★★★★
短編集なので時間がないときも少しずつ読むことができるし、どのお話も読後感がよいです。
死神、貧乏神、疫病神などできれば近寄りたくない、近くにいてほしくない神様のお話もありますが、どれもほっこり。
私は中でも疫病神と九十九神のお話がとても好きでした。
叔父さんはイケメン小児科医で、お母さんたちから追い掛け回されないためにいつも冷たく事務的にお母さんたちと接している。ある日、診察室で和服美人を見かけ、叔父さんは今まで他の看護師さんには見えたことがないのに姪っ子は見えるのかとびっくり。ある日その和服美人に話しかけてみると・・・というお話。
とてもよいお話でした。
そして九十九神様のお釜さんのお話。
炊飯器がある今、お釜でご飯を炊くことなんてなかなかないけれど、ずっと家でわざわざ使ってきて、社会人になって一人暮らしするときにわざわざ連れてきたお釜。お釜さんとの会話もほっこりだけどその後の展開がとてもよかったです!!感動。
どのお話も読後感がよく、楽しめました。