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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【親子で読もう、かいけつブック】大人になる前におぼえておきたい こんなときどうする!? かいけつブック

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著者 辰巳渚 

【内容】

【阿部智里の現代劇】発現

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著者 阿部智里

【内容】

八咫烏シリーズの阿部智里が切り拓く新境地
構想3年で辿り着いた 待望の長編小説

平成と昭和、二つの時代で起こった不可解な事件。真相を求めて近づこうとする者たちを嘲笑うかのように謎は深まり続け、次第に彼らの背中をほの暗い闇がひたひたと迫ってくる。運命に導かれるようにしてたどり着いた先は、光明か絶望か――。鬼才・阿部智里の圧倒的な筆力と壮大なスケール感で、ジャンルをクロスして描く渾身作!

 

【感想】

★★★★☆

大好きな八咫烏シリーズの作家さんの現代劇。

ファンタジーだけじゃなくてこういう作品も書かれるんだなとびっくり。なかなか面白かったです。

ホラーな作品で、ある家族に呪いがかかり、はじめは幻覚や妄想などの精神障害化とおもいつつ、しかし母もそれで死に、兄も同じ幻覚を見ているということを受け、謎を解き明かしていく話です。

しかし最後がすこし「え、これで終わりでいいの!」というものだったので、それもまた怖いというか。

 

 

発現

発現

 

 

【ファンタジー苦手でも面白い!】八咫烏シリーズ

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著者 阿部智里

【内容】

八咫烏」の一族が支配する異世界「山内」で、優秀な兄宮が廃嫡され、弟の若宮が日嗣の御子の座に就いた。
世継ぎの后選びを巡り、大貴族が覇を競う宮廷からはじまった和風ファンタジーは、やがて大いなる外敵との戦いへ―。

史上最年少の20歳で松本清張賞デビューした若き才能が煌く、本物の「物語」がここに!(烏に単は似合わない)

 

【感想】

★★★★★

実はファンタジー物は苦手で、児童書とかは割と好きだったんですけど、ハリーポッターもちょっと途中からしんどんくなったみたいな。

でも、でも、この本はそんな私でも夢中になって読んでしまいました。

最後の3巻はもう一気読み。

簡単なあらすじは

1・烏に単は似合わない

これは若宮の妃選びの話です。最初はちょっと少女漫画っぽいというか、なんか女たちのいろいろな思惑なんかが描かれていたんですが最後のどんでん返しで一気に「なにこれ!めっちゃ面白い!」という風になりました。

2・烏は主を選ばない

雪哉が嫌々ながらも若宮に仕える話で、じつはこれ1巻の裏側。若宮がなかなか期先候補たちのところに顔を出さなかったり、その理由などが描かれていました。この2巻はこれでひとくくりという感じです。

3・黄金の烏

ここで物語が急展開し、「大猿」や「人間の死体」のようなものが出てきて、外の世界が気になってきます。大猿たちの正体や目的はいかに。

4・空棺の烏

雪哉が若宮に仕えるという決心をし、そのために色々なことを学ぶ、学園生活をする話。ここで雪哉の後々の仲間になる人たちと出会ったり、一筋縄ではいかない学園生活にわくわくします。ここで雪哉の性格のちょっとブラックな感じが出てきます。

5・玉依姫

ここにきて急に話が変わります。実は著者が高校生の時に書いた「エピソード0」を手直ししたものだそうです。主人公が八咫烏から人間の女の子に。そしてここでだんだんと八咫烏の住む山内とはどこなのか、そして何なのかが出てきます。山神様といけにえの少女のくだりは日本昔話っぽい感じでとっつきやすいです。

5・弥栄の烏

玉依姫の裏側が描かれています。尚だった「なぜ若宮が急に山神様に仕え始めているのか」や「猿との関係、そしてその後」、などが描かれています。若宮の妻の話、そしてその女房の話も相まって盛りだくさんな第一章最終話でした。

 

はあ、本当に読めてよかった!すごく楽しめた和風ファンタジーでした。

外伝もあるそうなので、次回また買います!

 

 

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

 

 

 

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫)

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫)

 

 

 

黄金の烏 八咫烏シリーズ 3 (文春文庫)

黄金の烏 八咫烏シリーズ 3 (文春文庫)

 

 

 

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫)

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫)

 

 

 

玉依姫 八咫烏シリーズ5 (文春文庫)

玉依姫 八咫烏シリーズ5 (文春文庫)

 

 

 

弥栄の烏 (文春文庫)

弥栄の烏 (文春文庫)

 

 

 

烏百花 蛍の章 八咫烏外伝

烏百花 蛍の章 八咫烏外伝

 

 

【婚活している人に是非読んでもらいたい】傲慢と善良

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著者 辻村深月

【内容】

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。
その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。
生きていく痛みと苦しさ。その先にあるはずの幸せ──。
2018年本屋大賞かがみの孤城』の著者が贈る、圧倒的な"恋愛"小説。

【感想】

★★★★★

婚活で出会った一組の男女の大恋愛小説。

 

西澤架・・・父親が始めた事業を受け継いだ、小さな会社の社長。アラフォー。30代前半の時に付き合っていた20代の女性に結婚を迫られるも流し、振られた過去を持ち、後悔。アプリなどの婚活を使って50人以上の女性と出会い、真実と出会い、結婚を決意した。

坂庭真実・・・親に進路も就職も何でも決めてもらいずっとやってきた人。地元ではお嬢様大学といわれる香和大学出身であることが誇り。地元での婚活につかれ東京で一人暮らしを決意し、架と出会う。

 

この二人がメインのキャラなんですが、正直私は読んでいて真実という人物が好きではありませんでした。どっちかというと私は彼女の姉の希実タイプ。

 

けど、読み進めていくうちに架が真実が最初に利用した結婚相談所の小野里さんという女性と話をしたり、お見合い相手と話をしたりしていくうちに、婚活事情というものや、架がカウンターパンチを食らったりしているところ、そしてこの本の題名にもなっている「傲慢さ」と「善良さ」のせいで結婚できない人が多いなど、実際私も実は今婚活している30代以上の人なんかをちょっと下に見ている部分もあったんですが、気持ちも理解できるようになったというか。

同じく最近婚活の話を書いた『うちの子が結婚しないので』とはまた違った辻村深月さんらしい切り口で、読んでいてとても興味深かったです。

 

piyopiyobooks.hatenablog.jp

 

そして面白かったのが香和大学のくだり。

中学からそこに通っている子は"純金"。高校からの子は"18金"。大学からの子は"メッキ"って呼ばれて。

これはもう、名古屋の金城大学のことですね。このネタ使うなんて!ちょっと興奮しました。

 

最初はどうかなーと読み進めていましたが、どんどん登場人物たちの気持ちに共感をしていって、最後はもう、グッときました!

婚活で出会ってすぐ結婚っていうのは恋愛結婚とはまた違うのかなあと思ってましたが、婚活で出会っても大恋愛になる!

とてもよかったです。

 

傲慢と善良

傲慢と善良

 

 

 

 

【次刺されたら死ぬ】雀蜂

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著者 貴志祐介

【内容】

11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まった―。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!

【感想】

★★★☆☆

思ったよりB級パニックホラーって感じでした。

読んでいて楽しかったです。

なぜか雀蜂が飛び回る別荘。逃げ回る安斎。

最終的にはスキーウェアとフルフェイスヘルメットと思いもよらない+アルファで完全防御!

想像したらめちゃ面白くて笑ってしまいました。

私も高校の時に学校で刺されていて次刺されたらアナフィラキシー発症しそうなので共感はしましたが。

最後のオチまで楽しめました。

 

雀蜂 (角川ホラー文庫)

雀蜂 (角川ホラー文庫)

 

 

【買って、読んでよかった素晴らしい本】かがみの孤城

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著者 辻村深月

【内容】

鏡の世界で謎を追う不登校児 大人と子どもの目が共存する救いの物語

大人である現在の自分と、子どもだったあの頃の自分の両方を、同時に、ここまで慰め、励ましてくれる小説なんてはじめてだ。辻村深月の新作『かがみの孤城』のことである。

中学一年生のこころは、ある出来事を機に学校へ行けなくなり、いつも家で過ごしている。ある日一人で家にいると、部屋の鏡が突然輝き始め、潜り抜けてみると、そこは城の中だった。集められたのはこころを含め、似た境遇にいるらしき中学生が七人。九時から十七時まで滞在が許されるその城で、彼らにはひとつの課題が出される。猶予は一年。戸惑いながらも七人は、少しずつ心を通い合わせていくのだが……。

大人も子どもも、みんなが関係を構築していこうとしている。その部分だけでも充分読ませるが、もちろんミステリーパートも秀逸で、孤城の秘密がすべて明かされていく終盤は驚きの連続。それがまた、胸をしめつける真相だ。救いを求める側から救う側へとなった時、人は本当に救われるのだとも気づかせてくれる一冊である。

【感想】

★★★★★

すごく良かった。さすが本屋大賞

鏡の中のお城に招かれる不登校の子供たち。

お得意のSF(スコシフシギ)な世界のお話。さすが辻村深月さんという感じで、かなり分厚い本でしたがあっという間に一気読みしました。

フリースクールの先生は、なんてすばらしい人なんだ、でも途中でもしかしてこの人の正体は・・・とか、この世界はパラレル世界ではなくもしかして・・・なんて結末はわかってしまいましたがそれでもものすごくよかった!!!お見事としか言いようがないです。ほんとに辻村深月さんの本は大好き。最後はもう涙なくしては読めませんでした。感動の嵐が待ってました。これは、絶対いろんな人に欲しい布教本です。

 

 

 

かがみの孤城

かがみの孤城

 

 

 

 

 

 

【どちらの結果になっても辛いだけ】望み

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著者 雫井脩介

【内容】

東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登(いしかわかずと)と校正者の妻・貴代美(きよみ)。
二人は、高一の息子・規士(ただし)と中三の娘・雅(みやび)と共に、家族四人平和に暮らしていた。
規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。
そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡すら途絶えてしまった。
心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。
行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも……。
息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思い――。
『火の粉』の不穏な空気感と『クローズド・ノート』の濃密な心理描写。
両方を兼ね備え、執筆時、著者が最も悩み苦しみ抜いた、渾身の力作。

 

【感想】

★★★★★

一戸建てを購入する予定なので最初の家の描写に「なるほど、参考になる」なんて読み始めました。

 

途中から事件が起こる。長男の規士が家に帰ってこないし電話も通じない。

そして近所では彼がかかわったとされる事件が。

 

果たして息子は被害者なのか、それとも加害者なのか。葛藤が募る。

被害者であった場合、亡くなっている可能性が高い。加害者であった場合、友人を死に至らしめたということでこれから家族として何をするべきなのか、どんな未来が待っているのか。

どちらを選んでも辛い。

 

最後の方に書かれていた

「信じるとか信じないとか、一登たちが’勝手にぶつかり合っているときにはもう・・・・」

最初から結果は決まっていたというところでもう涙が止まりませんでした。

 

読んでいる間中辛くて辛くて仕方なかった本ですが、すごく良く描かれているなと思いました。

 

 

望み (角川文庫)

望み (角川文庫)