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【銀河鉄道の夜をより色鮮やかに読むことができる】 実験で楽しむ宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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著者 四ヶ浦 弘 

【内容】

宮沢賢治は,たくさんの詩や童話を書いていますが,その中には科学の言葉がたくさん出てきます。たとえば,「銀河鉄道の夜」という童話には,
「川の向こう岸が俄かに赤くなりました。……ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく酔ったようになってその火は燃えているのでした。」
という表現が見られます。
この,「リチウムよりもうつくしく」という,リチウムの赤い炎とは一体どんなものなのでしょうか?
それは,塩化リチウムの粉末とカセットガスコンロがあれば,実際に見ることができます。

そんなふうに,「銀河鉄道の夜」の中に出てくる言葉で,実験や実物が見られるものを再現してみたのが本書です。
宮沢賢治がどんなことを思い描きながらこのお話を書いたのか,その幻想的な世界がよりリアルに浮かんできます。

 

【感想】

★★★★★

是非銀河鉄道の夜を読みながらこの本を読みたいと思いました。
そうしたらもっと銀河鉄道の夜を色鮮やかに読むことができると思います。


正直銀河鉄道の夜を読んだし、好きですが、きちんと理解していなかったと思いました。雰囲気だけで読んでいるみたいな。これを読んでより深く銀河鉄道の夜を理解できたんじゃないかと思います。


と、同時に宮沢賢治という人はとても博識なんだなあと思いました。
すごく難しい知識というわけではないですが、きちんと勉強している人だなと思います。

この本は少し難しいかなと思われるかもしれませんが、中学生以上なら読めると思います。
中学生へのお子様のプレゼントに「銀河鉄道の夜」とこの本をセットで。
理系の人もすごく興味を持って読むことができると思います。