【崖っぷち女のキラキラ輝く出会い】パラソルでパラシュート
著者 一穂ミチ
【内容】
第165回直木賞ノミネートで話題をさらった『スモールワールズ』著者の最新長編小説！
大阪の古い一軒家ではじまる、芸人さんとわたしのふしぎな共同生活。
クセが強めな人たちの、真面目でおかしい人生劇場。
大阪の一流企業の受付で契約社員として働く柳生美雨（やない・みう）は、29歳になると同時に「退職まであと一年」のタイムリミットを迎えた。その記念すべき誕生日、雨の夜に出会ったのは売れないお笑い芸人の矢沢亨（やざわ・とおる）。摑みどころのない亨、その相方の弓彦（ゆみひこ）、そして仲間の芸人たちとの交流を通して、退屈だった美雨の人生は、雨上がりの世界のように輝きはじめる。
美雨と亨と弓彦の三人は、変てこな恋と友情を育てながら季節は巡り、やがてひとつの嵐が訪れ……。
【感想】
★★★★★
『スモールワールズ』が大好きすぎてつい最近アマゾンでぽちったばかりなんですが、是非この本も買いたいなと思いました。
コンサート会場で出会った、お笑い芸人の亨。
亨と美雨の掛け合いや、亨の相方の弓彦との漫才がとても面白く、笑わせてくれる。けれどどこか苦い部分もあったり、ところどころじーんときたり、とにかく素敵な物語でした。
別に東京に出て有名にならなくても、ただのお笑い芸人でいいという気持ちにもジーンと来ました。そしてネバー君こと無限くんのレッツ名前変更大作戦にも。美雨の友達もめっちゃいい！
世間的には３０歳へのカウントダウン、恋人なし、もうすぐ会社契約切られるという、崖っぷちの美雨ですが、ほんと雨上がりのキラキラしたような世界になって、すごく良かったです。読み手の気持ちも爽やかになりました。タイトルも素敵。表紙もすごく素敵。
