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ぶくぶくブックレビュー

読んだ本のレビューを書いています。

【大変だけど、おかしくて、あったかい】ポンコツ一家

著者 にしおかすみこ

【内容】

壮絶なのに笑って泣ける!
FRaUwebにて累計2000万PVを超えた人気連載。家族と介護の物語、待望の書籍化。


家族紹介。
うちは、
母、80歳、認知症
姉、47歳、ダウン症
父、81歳、酔っ払い。
ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。46歳。独身、行き遅れ。
全員ポンコツである。
ただ、皆が皆ずっとこうだった訳ではない。
何十年かぶりに、私は実家に戻った。
まずはその理由を、いや長めの愚痴にお付き合い頂けたら、とても嬉しい――。

「どこのどいつだ~い?」「あたしだよっ!」「にしおか~すみこだよっ」
ロングヘアをなびかせ、SMの女王様の格好で行う漫談で人気を博し、エンタの神様にも出演していた芸人・にしおかすみこさん。現在46歳で、髪もバッサリショートヘアにカットしたにしおかさんが「全員ポンコツ」と語る、自分の家族と介護の物語。

【感想】

★★★★★

家族の中でとてもしっかりしていた元看護士さんのお母さんが認知症になり、家のことが大変になっていたので実家に戻ることにしたにしおかすみこさんの笑えて泣けるエッセイ。

 

今までお母さんがすごく頼りになっていた家庭だったみたいなので、頼りにならないお父さんや自分の世話をするのも大変なお姉さんをケアするのはとても大変。

でも、最近はきっとこんな家族も増えているのではないでしょうか。そんな悲喜こもごもな日常をにしおかすみこさんがくすっと笑える突っ込みを振りかけて提供してくれています。

 

注意してほしいのは、40代以上の独身の方が読むと不意にもらいダメージをするかもしれないということ。

 

にしおかすみこさん、47歳 独身。

 

ご両親が高齢者なので、その世代の人たちには「結婚して、子供を産んでやっと人は幸せになる」という認識があるのでしょう。なのでにしおかすみこさんも本書の中でかなりダメージを受けています。

 

しかし現在、結婚して幸せかというと、そうでもない人が結構いる。周りでも離婚した夫婦ってたくさんいるし、そして子供がいたら幸せかというと、子供がいて悲しいニュースになっていることも結構ある。

 

なので、何が幸せかなんて誰にも分らない。

 

孤独死したら怖いというのも、死んだら何もわからないから別に怖いことなんてないし、家族がいたって孤独死することなんてザラにある。

 

にしおかすみこさん、久しぶりに拝見したらすごく綺麗になっていました。ショートヘアがすごく似合う。

 

独身でも、既婚者でも、子持ちでも、幸せのベクトルは人それぞれ。

 

にしおかすみこさんの家族は、「言葉にしちゃうと大変そうだなあと思うかもしれません。もちろん大変なこともたくさんあると思うけれど、やはり愛にあふれているなと思いました。「ポンコツ」という言葉もなんか愛がある気がする。

 

この本を読んで、にしおかすみこさんがすごく愛情深い人なんだなということをすごく思いました。これからも活躍を期待しています。