【ユーチューバー青春物語】どうぞ愛をお叫びください
著者 武田綾乃
【内容】
「響け!ユーフォニアム」シリーズの武田綾乃、最新作! 目指せ人気YouTuber、男子高校生4人がゲーム実況やってみたら、こうなった! 青春エンタメの名手による、爽快度120%の最旬青春小説!
引っ込み思案で帰宅部の僕・松尾は、幼馴染のリア充男・織田に、突然「ユーチューバーやろうぜ」と誘われる。戸惑いつつも嬉しさも感じた松尾は、織田と同じバスケ部の面白担当・坂上、軽音部で一つ年上の個性派イケメン・夏目も誘い、「ゲーム実況」に挑戦することに。
チーム名は、織田が個人的に作成していた動画にちなみ、「どうぞ愛をお叫びください」(通称「愛ダサ」)に決定。動画がバズり、人気実況者への道を歩き始める4人。しかし人気が高まるにつれ、4人の間に不穏な空気が流れ始め、ついにはある事件が勃発し――。
4人は人気YouTuberになれるのか? 松尾の淡い恋の行方は? 読めば4人が好きになる、新感覚青春エンタメ! ゲーム好きの人はもちろん、「ユーチューブとかよく分からない・・」という人にもオススメの一冊です!
【感想】
★★★★☆
とてもイマドキなテーマの青春小説。
男子高校生4人でゲーム実況者としてユーチューバーデビュー。
初めは全く動画再生回数が伸びなかったもののある人のツイッターでの紹介によりバズッた!
再生回数が伸びるにつれて増えるアンチコメント。そして仲間の裏切り。
とてもリアルで面白かったし読後感もとてもよかった!
【江戸編陰陽師】大江戸火龍改
著者 夢枕 獏
【内容】
禍々しきは、吾の出番。――妖退治屋をなりわいとする麗しき謎の男、遊斎の事件簿。
江戸時代、凶悪犯を取り締まる火附盗賊改の裏組織が存在した。
専ら人外のものを狩り鎮めるその名は、火龍改。
満開の桜の下で茶会を催していた一行から悲鳴が上がった。見れば大店のお女将の髪が逆立って、身体ごと持ち上がっていき、すっかり桜の花に隠れてしまった。見上げる者たちの顔に点々と血が振りかかり、ぞぶ、ぞぶ、ごり、という音のあと、どさり、と毛氈の上に女の首が落ちてきた――。遊斎は、飴売りの土平、平賀源内らとともに、この怪奇な事件の謎を追う。
【感想】
★★★★★
私の大好きで集めている途中の「陰陽師」シリーズと同じような世界観。
この日本語感大好きです。
江戸なのでもう少し陰陽師よりは先の話ですが。
そして途中でちょっと博雅もでてきました!ちょっとうれしかった。
一番面白かったのは最後の話。犬神のいでたちがもうやばい。
そんで「え!!そこ切っちゃうの!!」と男性は悶絶しそうな感じ。
「赤い蝋燭と人魚」の話も出てきたり、とても楽しめました。
とても面白くて新しい「遊斎」シリーズになるのかな。期待しています。
【「エモい」という感情を知った】すべて忘れてしまうから
著者 燃え殻
【内容】
小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)がベストセラーとなった燃え殻氏による待望の第2作。
自身の日々の体験をもとに、いつか忘れてしまう、でもずっと心のどこかに留めておきたい記憶の断片を、抒情的に、時にユーモラスに綴っており、読み終わったときに、忘れていた自分の大事な記憶を思い出したり、鬱屈とした毎日が少し楽になったり、読者の孤独にそっと寄り添ってくれるような断片的回顧録。
装画は『おしゃれ手帖』『ギャラクシー銀座』『クリームソーダシティ』などで知られる漫画家・長尾謙一郎氏が描く。
いまはもうない喫茶店、帰りがけの駅のホーム、予定のなかったクリスマスイブ、入院した病院の天井、安いビジネスホテルの廊下、知らない街のクラブ、朝のコンビニの最後尾、新幹線こだまの自由席、民宿の窓でふくらむ白いカーテン、居場所のないパーティー会場――。
ふとした瞬間におとずれる、もう戻れない日々との再会。ときに狼狽え、ときに心揺さぶられながら、すべて忘れてしまう日常にささやかな抵抗を試みる
【感想】
★★★★★
この本を読んで「エモい」という言葉が理解できるようになりました。
この感情が「エモい」なのか!と感動しています。
普段の特になんでもない日の日常を切り取ったエッセイなのにどこかエモい。切ない。 そして見出しの文字もなんとなくエモい。
絵もエモい。絵モイ。
このエッセイは100%エモさでできている、そんな本でした。
【イギリスの愛すべきおじさんたちが吠える】ワイルドサイドをほっつき歩け
著者 ブレイディみかこ
【内容】
内容紹介
大ヒット作『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』に次ぐ、待望の最新エッセイ集
早くも5刷10万部突破! ブレイディみかこの新たなる代表作の誕生
恋と離婚、失業と抵抗……。絶望してる暇はない。
人生という旅路をほっつき歩く中高年たちの気迫が胸を打つ!
笑いと涙の感動エッセイ21篇。
【あとがきより】
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で青竹のようにフレッシュな少年たちについて書きながら、
そのまったく同じ時期に、人生の苦汁をたっぷり吸い過ぎてメンマのようになったおっさんたちについて書く作業は、
複眼的に英国について考える機会になった。二冊の本は同じコインの両面である。
【感想】
★★★★★
ブレイディみかこさんを知ったのは、前作の『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。
この本では彼女の子供を通してイギリスの社会について知ったが、今度はおじさんたちを通して知る。
このおじさんたちがなかなか面白い。ブレイディさんを通すと、きっと私が持つ印象と違いそこに「愛」があるんだと思う。かわいくて面白いおじさんたち。
イギリスの病院事情、私が住んでいる国と少し似ている。こちらはお金を出しても予約が早まったり特権が与えられるわけでもないが。しかしGP(かかりつけ医)にかかる道のりがハードモードすぎる。専門医は3か月から半年ほど待つのはこちらでも同じで、この前「やばいかもしれない」という症状が現れ専門医に予約を取るも3か月後、そしてその症状はもう消えてしまった。医者あるある。本当にヤバかったらどうなるんだろう。一応前にヤバかった時はかかりつけ医からすぐ入院手続きをしてもらうことができたけれど。
こんまりおじさんの話も面白かった。
アメリカ版こんまりでお祈りをするのは私も見てとても宗教的、異常に感じたけれど、とても面白く突っ込まれていて楽しく読んだ。
ブレグジット問題についてや社会問題など、重い話題もたくさんあるけれど、軽快に書かれていてとても読みやすかった。
【鯉ケ窪学園、ふたたび】君に読ませたいミステリがあるんだ
著者 東川篤哉
【内容】
「推理」を愛するすべての人へ。
ミステリを書き、読むことの面白さが“過剰”に詰まったユーモアミステリの超快作、誕生!!
舞台は『放課後はミステリーとともに』の鯉ケ窪学園。高校に入学したばかりの僕は「第二文芸部」の部室に迷いこんでしまう。学園一の美少女(自称)である部長・水崎アンナは、自作のミステリ短編集を強引に僕に読ませるのだが――。
桜舞い散る季節に起きた『音楽室の殺人』、ハンドボール部員が襲われる『狙われた送球部員』、女子更衣室が舞台の『消えた制服女子の謎』……アンナがたくらむ大仕掛けを、僕は、そして君は見抜けるか!?
テンポの良い展開、冴え渡るユーモア、そして想像を超える大トリックに、一気読み必至!
「迷わず読めよ。読めばわかる!」(by水崎アンナ)
【感想】
★★★★☆
東川篤哉さんの小説は『放課後はミステリーとともに』と『謎解きはディナーの後で』を読みました。
この小説の舞台は『放課後はミステリーとともに』の鯉ケ窪学園。
第二文芸部に入れと水崎アンナの書いた小説をひたすら読み、ツッコむだけの小説。
私が面白かったのはやはり泥・・・・うっ・・・砲丸の話。
砲丸の正体に突っ込まざるを得ないし、こだわりを見せられても・・・・(笑)
本格ミステリーを読む感じではないですが、ライトノベルのような感じで軽く読めました。
【テーマ旅楽しそう】愉快な青春が最高の復讐!
著者 奥田 亜希子
【内容】
会社の同期とは、仲良くなれないと思っていた――。パーティーもBBQもフェスも見当たらず、学生でもない。
でもこれは紛うことなき、縁遠かったはずの青春だ! 記録魔の小説家が贈る、さっぱり笑える自虐エッセイ。
会社の同期五人との、謎の熱狂。平日は毎晩のように誰かの部屋に集まり、一台のベッドにぎゅうぎゅう詰めで眠る。会社のロッカーに共用の風呂道具を入れて、仕事帰りにみんなで銭湯に通う。北は北海道から南は長崎まで、弾丸旅行へ行きまくる――。
「私が体験した青春は、ジェネリックだったのかもしれない」。
記録魔だからこそ振り返ることのできる、あまりにもさっぱりとした自虐の数々。
気鋭の小説家、初のエッセイ集。
どうか笑ってあげてください。
【感想】
★★☆☆☆
奥田亜希子さんの本は読んだことがないのですが、エッセイとしてはいまいちでした。
ただ、弾丸の旅はとても楽しそう。
「愛され系OLコーデ」などドレスコードを決めた旅や遠藤周作『沈黙』が課題図書の旅など、こういう女子旅は楽しそうだなあと思いながら読みました。
子供を出産されてからも精力的に旅に出ていて、とても育児に協力的な旦那さんなんだなと思いました。
タイトルの「復讐」が初めは何のことかわからず、ただただ旅行記のエッセイを読んでいましたが、後半でなるほどと思いました。
とりあえずこの人の日記はすごいなと思いました。根気がある。
楽しく過去の自分に復讐できて、良かったなと思います。
大人になってからでも素敵な友人はできる!
【食品添加物についての正しい知識】食品添加物はなぜ嫌われるのか 食品情報を「正しく」読み解くリテラシー
著者 畝山智香子
【内容】
●根強く残る食品添加物悪玉論
●まことしやかにささやかれる超加工食品の危険性
●オーガニックの安全神話で見過ごされる問題点
●注目を集める新しい北欧食の落とし穴
●日本で独自に発展した食品表示制度の功罪
ゼロリスク幻想を越えて改めて考える,
ほんとうの「食の安全」
巷にあふれる食をめぐるさまざまな情報. 〇〇は身体によいらしい,
ダイエットには△△を摂るとよい, ×× には発がん性がある……. 信頼に足る情報はどう見極めたらよいのか. さらに,グローバル化が進展する世界で,食の安全をめぐる問題も,自国だけの問題に留まらなくなっている. 「すべての人に適切な情報を」届けるべく,世界の食品安全情報をサーベイし発信し続ける著者が, 近年話題になったさまざまな問題を取り上げ,印象やイメージに惑わされることなく,科学的知見に基づいて適切に判断するためのポイントをわかりやすく解説する.
【感想】
★★★★★
私が住む国では学校で出される食事もオーガニックになっており、オーガニック信者がとても多いなと日ごろから感じています。オーガニックのお店もたくさんありますし、マルシェでもオーガニックの八百屋さんもたくさん出ています。
オーガニック信者の方はわりとほかの人にもオーガニックを強制してくるのでそのあたりあまり好ましく思っていないのですが。実際オーガニックがすべていいという風にも私は考えていないので。でもお豆腐を買ったり玄米を買ったりオーガニックショップは頻繁に行きます。なので卵の話はちょっとショックでした。
さて、食品添加物。味噌とかも自分で作る、餃子の皮もお手製という既製品をあまり買わない生活なので、ハムとかの加工物に関しては気になりますが、実際よくわかっていませんでした。なのでこの本で分かりやすく書かれていて大変勉強になりました。「昔はよかった」というのがわりと幻想だということも結構わかり、いろいろと目からウロコでした。国によって食品添加物の許容も変わっているようですが、欧州基準はわりと厳しそうな気がします。
「食品添加物が入っている」からといって毛嫌いせず、きちんと勉強することが大切だなあとよくわかる一冊でした。