2018年 おすすめ本ランキング
最近いろいろと忙しくなかなか本が読めていませんでした。
さて、2018年のお薦めランキングです。
第一位
神さまたちの遊ぶ庭
『羊と鋼の森』を書いた宮下奈都さんのエッセイ。北海道の僻地で暮らした記録です。とにかく面白い。この夏宮下奈都さんの小説やエッセイを買いあさってきました。とりあえずこの本は布教用でいくつか買って友人のプレゼント用などにしたいなと思いました。本をそんなに読まない人でも軽く読めます。
新しく出た『とりあえずウミガメのスープを仕込もう』もおすすめ。
第二位
こちらはなかなかの衝撃作です。
ありえない状況ながらも、どこか現実的で、考えさせられる作品。
第三位
ノンフィクションです。ドラマでもあった通り、刑事裁判の有罪率99.9%を覆すのはとても難しい。そしてお金になるわけでもない。この弁護士さんはその99.9%と向き合い、戦う人物。面白かったです。
第四位
大好きな作家さん、朝井リョウさんの作品です。
すごく心に刺さるものがありました。さすがです。つんくさんの書くあとがきも見ものです。
第五位
テレビ番組だったものの書籍化です。できるのものなら映像としてみたかった!大好きな作家さんの実態や、おすすめ本などが紹介されています。読書好きにはzった言お薦めの一冊。
第六位
図書館の本で読みましたが、これは絶対買おうと思いました。文庫化が9月だったので間に合わず、来年買うことにします。涙なしには読めませんでした。
第七位
これは、すごく心に刺さりました。女性にも、男性にも、未婚既婚問わず広く読まれてほしい作品です。いろんな立場の視点から考えることができます。
第八位
『百年法』も是非是非読んでもらいたい作品です。
視点が面白いですよね。SFっぽいんだけど、夢中で読んでしまいます。
第九位
普段よく使うトマト缶やトマトケチャップの闇を覗いてしまった。全く他人ごとではない、みんなが知るべき真実が書かれている。
第十位
もうなんか、タイトルからして「なにやってんの」って感じですが、面白かったです。現在彼女は新しく本屋さんの店長をしているみたいで、行ってみたいなと思いました。
さて、その他にもおすすめがあります。
2018年おすすめ マンガ
これ、全五巻でちょうどいいんですよ。ダヴィンチのプラチナ本で見て読んでみたんですが、本当におすすめです。ハマってしまい「スケットダンス」も読みました。これもよかったですがいかんせん長い。本棚にしまっておくにはこれくらいの作品がちょうどいいんですよね。
2018年おすすめ 絵本
これはNetGalleyで見て、こっちの本屋さんで売っているフランス語版ですがすぐ購入しました。それくらい良かった!ワイン好きにはお勧めです!!!
また来年も素敵な本に巡り合えますように!
【関西弁の男の人ってなんかいいな】世界の端から、歩き出す
著者 富良野馨
【内容】
京都での出会いが起こした
小さな、確かな奇跡。
就職も決まった短大二回生の秋、篠崎千晴のもとに叔母から奇妙な依頼が舞い込んだ。ずっと存在を知らされていなかった「叔父」に届けものをしてほしい、というものだった。戸惑いながらも、千晴はある箱を持って彼を訪ねるが、その中身は――。
出逢いが出逢いを呼び、人との縁が人生を確かなものにしてくれる。孤独な半生を送ってきた千晴が最後に見つけた場所とは……。京の街が舞台の、思わず涙が頬を伝う再生の物語。
【感想】
★★★★★
はっきり言ってめちゃめちゃよかったです。
幸せではない、冷たい家庭で育った主人公、千晴が、ある日叔母にそんなに年の離れていない叔父のシンさんがいることを聞く。届け物などで何度か会ううちに、シンさんの暖かさを知る。シンさんも千晴の父や叔母とは父親が違うため、育ってきた環境が、家族に恵まれず、家族の暖かさを知らないところが千晴と似ていた。
千晴の家族がとてもとても異様で、読んでいてこちらも怖くなった。特にお父さんが怖い。もはやサイコパス。
反対に、シンさんの彼女のレイコさんがすごくすごく好きで、素敵だと思った。レイコさんとシンさんのカップル、すごくいい。
千晴が叔父に対して抱く「余すところなく幸せになってほしい」という気持ちが、とても素敵だった。
そして千晴にもやがて出会いが。それはものすごい出会いだったけれど、すごくすごく素敵な人で心の中で「がんばれ!」と応援したくなるような。めっちゃいいひと。
読んでいて途中途中涙があふれてきた。
シンさんも、千春も、幸せになってほしい。
心がとても温かくなりました。
ていうか関西弁の男の人、いいな。なんかきつい感じだけど優しいみたいな。
お薦めです。
(P[ふ]5-1)世界の端から、歩き出す (ポプラ文庫ピュアフル ふ 5-1)
- 作者: 富良野馨
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2018/12/01
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
【途中下車は不可能、怖さのジェットコースター】スイート・マイホーム
2019/01/10発売予定
著者 神津 凛子
【内容】
第13回小説現代長編新人賞受賞作!
選考委員 全員戦慄。
「イヤミス」を超えた、世にもおぞましい「オゾミス」誕生。
スポーツインストラクターの賢二は、寒がりの妻のため、たった1台のエアコンで家中を暖められる「まほうの家」を購入する。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。
我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映ったおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘――。
想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など家の外へも波及していき、ついに関係者の一人が怪死を遂げる……。
人間が抱えるおぞましさや闇を描くホラー・ミステリー。
【感想】
★★★★★
小さな女の子がいる幸せな夫婦が、「あたたかい家」と呼ばれる一軒家を買うところから始まる物語。
旦那の賢二は浮気してるし、旦那の兄は統合失調症でなんか妄想などを口にしていたり、そして家を買った会社には「甘利さん」というおかしなセールスマン。担当の本田さんという女性に、「彼は問題のある社員なので気を付けて」と言われるも、めっちゃ寄ってきて「家族を大事にした方がいい」などと変なことを言ってくる。
しかし、物語の途中から賢二の近くで不可解な出来事が起こりだす。
賢二の周りで人は死んでいくし、浮気相手には変な写真が送られてくるし、遊びに来た妻の友人の子供は帰り際に死んだように蒼白になってるし、遊びに来た同僚に幽霊がいると言われるし、兄にも「そこらじゅうにいる」と不可解なことを言われる・・・・。
家の中に巣くうのは幽霊なのか、それとも妄想なのか、はたまた人なのか。
読んでいくうちに怖さが止まらない、けど面白くてページをめくる手も止まらない。
お兄さんの優しさに少し涙ぐんだあと、事件や過去の真相を知ってエンディングへ向かい収束していく気分。
からの衝撃のラストシーン!!!!
すごかったです。
ホラー好きにはかなりお勧めです。
【ドイツでの癌治療体験私小説】前立腺歌日記
著者 四元 康祐
【内容】
がんの話がこんなに面白くてよいのだろうか…!? ドイツ在住の詩人が、自らの体験を飄々と綴った、ユーモアあふれる闘病私/詩小説。
【あらすじ】
長年ドイツ・ミュンヘンで暮らす「私」に、ある日、前立腺がんが見つかった! 現地での、手術、がんのリハビリセンターに滞在しての「機能回復訓練」、その後の放射線治療、そして得たものは、臍の下の空洞と……。
【柴田元幸さん推薦!】
「前立腺を除去してみれば、おくのほそ道、ダンテの宇宙。 詩と散文の、どこか怪しげな、にもかかわらず(否、だからこそ)胸に迫る融合。」
【本書より】
手術の場合の後遺症って、なんなんですか? と私は訊いた。 主に尿漏れと性的不能です、と彼は答えた。 あはははは、私は笑った。生きるか死ぬかの話をしているときに、漏らすか立つかの話はあまりに次元が違っていると思えたのだ。 漏れと萎えマフラーのごとく靡かせて三つ子の魂冥途の飛脚 じゃあ切りますか、と私は言った。どれくらい仕事を休むことになりますかね?
【感想】
★★★☆☆
私も海外在住で入院したことがあるので、なんかその時の経験を思い出しながら読みました。
私の場合、絶対安静時は尿カテーテルではなく、お尻の下にちりとりのようなものを敷かれ、これにしてね。と言われました。いやー、全然できない。日本で入院してた時は尿カテーテルがいつの間にか刺さってましたが、そっちのが楽でした。
最初の方は文章になれなくて読みにくかったんですが、なれたらサクサク読めます。
途中途中に歌や詩がなどが挟まれていて、面白いです。
全体的には面白いんですが、なんていうか、プチ浮気みたいな、妻子いるのに女の人誘ったりするところは、嫌悪感が湧きました。私が女だからかもしれませんが。
【読んでいくうちにぞくっとする】Q&A
著者 恩田陸
【内容】
都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず―多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か?異臭は?ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は?そもそも、本当に事故なのか?Q&Aだけで進行する著者の真骨頂。
【感想】
★★★★★
ショッピングモールで起きた、原因のわからない死傷者がたくさん出た事件について、すべてが会話で話が進んでいく。
読んでいくうちにだんだんきな臭くなっていき、怖さが増す。
はじめはガス漏れや火災か何かかと思ってみんな一斉に逃げ出すも、実際にガス漏れや火災の痕跡もなし。いくつかみんなが逃げ出す前に変わったことがある。それは、万引きをする老夫妻、液体が入った袋を床に投げつけた男・・・・など。
一体原因は何だったのか。亡くなった人はほぼ逃げ出したことによる圧死。
事の真相を知るタクシー運転手、その真相と彼のその後にぞくっとします。
インタビューや会話を通して、背中がぞくぞくしてきます。
とても面白かったです。
単行本とは少し内容が変わっているらしく、両方読んでみたいなと思いました。
【好きになっていく過程にきゅんとする】隣の席の佐藤さん
著者 森崎緩
【内容】
実写PVがYouTubeにて公開中の
第6回ネット小説大賞受賞作!
コミカライズも決定!!
地味で、とろくて、気が利かなくて。おまけに大して美人でもないクラスメイトの佐藤さん。なのに隣の席になった途端、気になり始めたのはなぜだろう。ひねくれもの男子が、隣の席の地味な女の子に惹かれていく話。
【内容】
★★★★★
読み終わった後、PVも見てみました。
こちらです。
うわー。想像した通りの佐藤さんな感じ!いい!!
はじめは「あまり可愛くない」隣の席の佐藤さんが、どんどんかわいく見えてきて、いつの間にか恋に落ちる。
短いエピソードを重ねる中で、だんだんと変化していく気持ちに胸がきゅんとなる。
人を好きになっていく過程が、もう恋愛のときめきから遠ざかっている私にはとても新鮮でたまらなかったです!きゅんきゅんしました。
そして、友人から見る佐藤さんと山口くんもすごくいい!はたから見るとこんな感じなんだとにやにやが止まりません。
とてもかわいかったです。
【走ることの美しさ、強さがふんだんに詰まった一冊】風が強く吹いている
著者 三浦しをん
【内容】
箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」――純度100パーセントの疾走青春小説。
【感想】
★★★★★
ただただ素晴らしかった。
実は箱根駅伝とか、マラソンとか、普段テレビで見たことがなかったんです。
全く興味がなかった。走ってるだけじゃんって。
いや、こんなにドラマが詰まってるものなんですね。
箱根駅伝のはの字も知らないど素人ですが、箱根駅伝の仕組みから何からすべてわかりました。見たことないけど。
今となっては箱根駅伝がリアルタイムで見られる日本に住んでいないのが悔やまれる。
もう年末だし。箱根駅伝に出るチームは最後の調整に入ってるんでしょうね。
大学のおんぼろ寮に集まった素人も含む10人が箱根駅伝を目指すストーリー。最後の箱根駅伝のシーンは涙なしでは読めませんでした。すごく良かったです。
とりあえず、読んでほしい。